+女 MEIKI 息+
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2001年08月02日(木) 天の沈黙で包み込むように


 とても柔らかだった。
 風は無く音も無い。ただ、ただひたすらに天から降りてくるだけである。大きく開け放した枠の向こう側に、夜の景色が広がって見えた。薄墨色の土の表面も次第にひっそりと埋もれていく。咥えていた煙草に火を点けようとライターを擦る。と、そこに牡丹がひとつ咲いた。牡丹を手に咲かせたまま腕を伸ばして闇に掲げる、花一輪。その灯りが、夜に住む魔物をぼんやりと闇の中に浮き上がらせているようだった。
 白い闇。
 降り積もる雪が、僅かな光を内部にと染み込ませ、冷たい、白い闇のひかりに変えて、儚い微光を闇の底から放っている。目の前に広がる見える世界を、ひとつにまとめていくように。
 闇の色を含んだ白い肌の女が、そこに居た。




 身震いする程(意味が違うだろ)の女を目の前にした時に目が覚めました。エアコンの冷房を強のまま。あまりの寒さに、猫も退散してどこへやら。風呂入って寝なおそうっと。


香月七虹 |HomePage