+女 MEIKI 息+
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いつも指咥えて見ていた。 ここぞ!って時に泣ける娘や、ちゃんと的確に甘えられる娘を。
いつも羨ましく思っていた。 優しく髪を撫でられて、ひとつのことに夢中になれることを。
妬んでいるのを悟られたくなくてそんなことで軽蔑されることは消し去られてしまうようで。思ったことを口に出すタイミングや、その場に相応しい言葉を選んでいるうちにそんなこととは関係無いから、そんな気遣いを必要としない女だから、だから、今こうして一緒に居てくれているのかと。なんとなく都合がよい女で居ることが、傍に居られることなのかと。
少しでも傍に居たい。なのに、早く家に帰りたいと思う。
計算ずくで甘えられるうちは未だ良い。例え拒絶されても、笑ってられる。それこそ望まれた笑顔を貼り付けていられる。貴方にだけ話したかった事が、どんどんと薄れていく。それと反比例して、とびきり優しくもなれる。 知られたくないことを知られたいと思う気持ちも薄れた頃にようやく、自分の置かれていた場所が見えるのかもしれない。 ならば、あの一言を伝えるためにどれだけの時間が必要だったのか。何度、心で繰り返したのか貴方には、ずっと知られなくない。
でも、あたしはここにいる。
それを気付いた男にだけ優しくして楽しんでると思ってるんでしょ? 見つけた男も、本当には見付けちゃくれてない。
あたしは、ここに居るのに。
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