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2001年12月15日(土) 傍に居ないから寒いのよ

 好きな男からいつも何かにつけて意地悪をされ、最初は構ってもらえているだけで嬉しかったのに、その行為がエスカレートするにしたがって段々と辛くなって、そのうちその人を避けるようになったっていうのに、相手はそんなことにはお構いなしに他の人の前でも相変わらずな態度を見せる。切なく想う心が痛くて、とうとう大声で泣き出してしまった。普段は、そんなことでは泣かないわたしを見て彼が慌てて傍に駆け寄り訂正する言葉を並べた。泣きじゃくるわたしを抱き締める彼からは見えないわたしの表情は、涙こそ流してはいるものの片頬だけで笑っているよう。

 そんな自分自身を「厭な奴だな」と思っているところで目が覚めました。
 なんだか酷く疲れた寝起きでした。
 夢の中で見た男はここに存在するダレでもなく、顔すら思い出せない程に知らない人でしたが、昼が過ぎてもまだその厭な気分が抜けずに居ました。

 最近、犬も喰わない人様の恋愛話を聞いているせいなんだろうなあ。さもなくば、自分が渇ききってるからかしら。
 気持ちを確かめたくての言動は、相手を切なくさせるものなのでしょうね。知らず知らずに好きと感じたいがために、そんな行動をとっているんだろうなあ。好きだと思ったら節操無しに挑みかかり、相手にとったらきっと迷惑なわたしには、少し必要な部分かも知れないけど。

 『ナルシシズム傾向のつよい人は、自分の内に存在するものだけを現実として経験する。外界の現象はそれ自体では意味をもたず、自分にとって有益か危険かという観点からのみ経験されるのだ。ナルシシズムの反対の極にあるのが客観性である。これは、人間や事物をありのままに見て、その客観的なイメージを、自分の欲望と恐怖によってつくりあげたイメージと区別する能力である。』 (E.フロム 『愛するということ』:紀伊国屋書店)

 だそうです。
 と、なるとわたしの抱く男に対する思いは、期待を込めて作り上げた理想像の男と現実とを区別できていないのでしょうか。

 もし、それがわたしの恋愛に繋がるとしたら、その期待を裏切ることが起こった時点で相手が感じる以上のとてつもない虚無感を味わい、そしてそこから一歩も動けない処に立たされることになるのでしょう。


 今夜は手を繋いでいてください。


香月七虹 |HomePage