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2002年06月04日(火) 文字の裏側


 気持ちの裏側

 好きな文章というものがある。
 それは、全体を通した話の筋に惹かれる以前に、その人の紡ぎ出すヒトツのくだり、その人の捕らえる視線からの描写の仕方、そういうものがあわさり流れを作った文章から受ける雰囲気が好きなのだ。
 その文章から感じる匂いのような説明し難い印象が、自分とのその時の波長に合うということもある。但し、この場合は書き手が伝えたいこととは違った印象も受けてしまうことも少なくは無い。
 例えば、以前にとある人の雑記を読んだ。
 それは悲しいお話でもなく、ましてや笑わせようとネタを考えた文章でもなかった。その人にとったら日常の1コマを切り抜いただけなのかもしれない。その書き出された内容は、今思い浮かべてもサラッと読み返せる内容だと想う。
 けれど、わたしはその文章を読んだときに、泣いた。
 途中でティッシュを掴んで、読み終わるころには、鼻をかんでいた。
 わたし自身が同じ境遇であるとか、今現在が同じ状況に立っているという訳でもなく、感動を受け、その書き手の人の心に共鳴した訳でも決して無い。それなのに、泣ける文章というものがある。
 強いて言うなら、その書き出された1コマがはっきりと鮮明に想像出来るものであったのか。
 そうした「どうして泣けるのだろう?」の部分に触れないまま、いや、表現できないままでいる。
 自分の思うことを言葉として表現し、それを文字に表し文章にしていく。今更ながらに難しいと感じる。


 感じる文章というものがある。
 その一言で、状況を丸呑みにするような、ヘビに射すくめられたネズミの気持ちを味わうような文章に出くわすことがある。
 それは、恐怖であると共に目が離せない状況になり、読み進めるうちに汗をもかきそうになるほどである。
 上記と同じようにその文章を作り出した書き手の人の思惑とは違っているのだろうけれども、その一文でヤラレテしまったわけだから、わたしは参った!と呟くのである。

 感じる文章というものがある(その2)
 貴方の心を振るわせる文章よりも、
 貴方の熱く滾るそこに訴え、撫で上げ、擦り、舐め上げて、嗚咽ともつかない哀願を受けるような文章を書いてみたい。

 と、いうことでほんの数分、お喋りのお付き合いを頂いたチャットのあなた。
 わたしの打ち出す文章にあなたが感じてくれたことが、どれだけわたしの躯を反応させたことか。
 エロ文章を書くだけでは、決して躯の変化は無い。どんな妄想の元に書き出したとしても、書くことに夢中で濡れたりはしない。表示された文章を読み、その相手が感じてくれることが、たまらなく嬉しい。ひとつひとつキーを打つたびに、あなたのうなじにかかる文字の微風が、新たな竜巻を一瞬おこしたかのように、躯中を駆け抜ける甘い疼きを呼び覚まし、あなたの中の感じる部分が、強く押し当てられた唇に吸いこまれ飲み込んで欲しい想いとなって湧き上がり、声が漏れそうになるのを堪えていることを想像させてくれることが、嬉しい。

 文字の裏側で、わたしはあなたの唇が押し当て易いような体勢を、仰け反る仕草であらわしたい。愛しさを覚え、あなたの舌にそっと自分の舌を絡ませてみるように。






 只今、意味不明なエロ文章に囚われております。
 しかも某氏の誕生日にあわせて、エロ雑文をプレゼントに替えろなどと、畏れ多い注文を受けてしまいました。
ああ、どなたか…。Please give エロ.



香月七虹 |HomePage