LOVE diary
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いつもながらごった返している繁華街を、駅に向けて歩き続けた。 左側に、彼の悲しそうな顔を感じてはいたけれど、見て見ぬ振り。
会って30分も経たないうちに「帰るッ!」と宣言されては、 どうしたらいいのか 戸惑うばかりでしょうね。
判っていたけど。言わずにはいられなかった。
あなたが泣きそうなのは気が付いていたよ。
繋いだ左手に、徐々に力がこもってきたモンね。 離すまいって必死だった?
お互いに一言も口をきかないまま、駅まで来ていた。
私は財布から小銭を出すと、券売機にお金をねじ込んだ。 「Takeshi はここから、帰ればっ!送ってくれなくて良いよっ! こんな機嫌の悪い私と一緒にいたくないでしょう?」 けんか腰の話し方をしながら、切符を取り出すと1人で自動改札へ向かう。
Takeshi は後ろで呆然としていた。
何が何だか判らないけれど、でも私を止める術がないことに苛立っていた。
私には、その気持ちが手に取るように分かっていた。
だから・・・。
改札を抜けて、数m歩いたところで彼の方に振り返った。
「私、帰っても良いの?本当に帰っちゃっても良いの?」
泣きそうな彼は、イヤイヤをする子供のように首を横に振った。
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