彼の夢は知ってた。 二人して、小さいころの夢をクスクス笑いながら話したことがあったから。「でも、所詮夢は夢だね」そう言って彼は眩しそうに目を細めて、空を見ながら言ってた。 でも、あの時話してくれた夢がほんとはずっと心を占めていたなんて、彼女は知らなかった。 それでも良かった。彼が夢を追いかけるなら、私はその彼を傍で支える存在になりたいと思った。一言、彼が傍に居て欲しいと言ってくれれば、私はどこへでもついて行こうと思ったのに。 彼がくれたのは、別れの言葉だった。『サヨナラ、元気で』