short story


2001年02月10日(土)


20-無欲な愚か者-
彼女と知り合ってから約4ヶ月。
僕はようやくその不思議な関係を理解した。
自分がすべきことは、ただ彼女のそばに居ることだけなんだと分かった。
逆に、彼女を失わずに留めるには
そうするしかないのだという事も知ったけど
それはあまり考えないようにしていた。

彼女はと言うと、
僕の軽はずみな行為などなかったかのように
それまで通りに僕の部屋を訪れた。
もう来ないんじゃないかと少し不安だったけど
取り越し苦労だったようだ。
それどころか、それまで以上に一緒に過ごす時間が増えた。
もしかしたら、この間の事は彼女にいい影響を与えたのかもしれない。
とさえ思った。
ともあれ僕は、その生活に満足していたから、とても幸せだった。
ずっと続けばいいと思っていた。
ずっとは無理でも、しばらくは続くだろうとも。
それ以上はなにも考えないことにしていた。
なにも望まないことにしていた。
そう決めたから。

 < past  INDEX  will >
日記才人