1月末。 もっとも寒さが厳しい時期だ。 毎日のように雪が降り、 吹雪が3日続くなんてこともあった。
その頃、僕らはほとんどを家の中で過ごした。 どこに行くこともせずに、だらだら。ごろごろ。 だって風びゅーびゅーだし。 雪が下から降ってるし。 外に出かけるよりは、家の中でぬくぬくしていた方が幸せだった。 僕も、彼女と二人きりでいられたから ヘタにどこかをうろつくよりもいいかもしれない。と思った。
彼女は、犬か猫かでいうとやはり間違いなく猫のようだ。 コタツはなかったけど丸くなって転がっていたから。 ていうか人間か猫かでいっても猫? やっぱり彼女は猫だという結論に達する。
窓には絶え間なく雪が吹き付けている。 外は真っ白だ。 向いの家もろくに見えない。 ここまで大荒れの天気だとそろそろ春が恋しいなぁ。 などと二人で話していた。 雪が融けて暖かくなったらまた海に行こうか。と言ったら。 彼女は「そうだね。行けたらいいね。」と言った。 今度行く時には、退屈しないように釣り竿でも用意しよう。 と、密に考えていた。 なにか魚が釣れたら、きっと彼女が料理してくれるだろう。 春が待ち遠しかった。
そんないつも通りの生活。 ある日突然に、終わる日が来た。
|