short story


2001年02月25日(日)


35-区切り-
1月末。
もっとも寒さが厳しい時期だ。
毎日のように雪が降り、
吹雪が3日続くなんてこともあった。

その頃、僕らはほとんどを家の中で過ごした。
どこに行くこともせずに、だらだら。ごろごろ。
だって風びゅーびゅーだし。
雪が下から降ってるし。
外に出かけるよりは、家の中でぬくぬくしていた方が幸せだった。
僕も、彼女と二人きりでいられたから
ヘタにどこかをうろつくよりもいいかもしれない。と思った。

彼女は、犬か猫かでいうとやはり間違いなく猫のようだ。
コタツはなかったけど丸くなって転がっていたから。
ていうか人間か猫かでいっても猫?
やっぱり彼女は猫だという結論に達する。

窓には絶え間なく雪が吹き付けている。
外は真っ白だ。
向いの家もろくに見えない。
ここまで大荒れの天気だとそろそろ春が恋しいなぁ。
などと二人で話していた。
雪が融けて暖かくなったらまた海に行こうか。と言ったら。
彼女は「そうだね。行けたらいいね。」と言った。
今度行く時には、退屈しないように釣り竿でも用意しよう。
と、密に考えていた。
なにか魚が釣れたら、きっと彼女が料理してくれるだろう。
春が待ち遠しかった。

そんないつも通りの生活。
ある日突然に、終わる日が来た。

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日記才人