2週間経った。 地獄のような14日間だった。 彼女のこと以外何も考えられなかった。 どこにいるのかも分からないのに 外に飛び出して探し回りたい気分だった。 もう再び彼女に会うことはできないのかと 倒れこむように部屋で嘆いていた。
悲しみが絶望に変わり始めた頃 15日目に彼女はまた、突然姿を現わした。 いつものように。突然。
色めき立って開けたドアの向こうに 彼女の顔を見た時の安堵感といったらなかったよ。 言い表すことなど到底できないような感情の波。 怒りなんだか喜びなんだか。 全部一緒になって込み上げてくるようだった。
ああ。よかった。 彼女は僕から離れて行ったのではなかった。 また会えてよかった。 よかった……。
心の中はただそれだけだった。 言いたいことはたくさんあったけど。 一つも言葉にならなかった。
絞り出すように 「よぉ。」 としか言えなかった。
|