short story


2001年02月27日(火)


37-幾つもの感情-
2週間経った。
地獄のような14日間だった。
彼女のこと以外何も考えられなかった。
どこにいるのかも分からないのに
外に飛び出して探し回りたい気分だった。
もう再び彼女に会うことはできないのかと
倒れこむように部屋で嘆いていた。

悲しみが絶望に変わり始めた頃
15日目に彼女はまた、突然姿を現わした。
いつものように。突然。

色めき立って開けたドアの向こうに
彼女の顔を見た時の安堵感といったらなかったよ。
言い表すことなど到底できないような感情の波。
怒りなんだか喜びなんだか。
全部一緒になって込み上げてくるようだった。

ああ。よかった。
彼女は僕から離れて行ったのではなかった。
また会えてよかった。
よかった……。

心の中はただそれだけだった。
言いたいことはたくさんあったけど。
一つも言葉にならなかった。

絞り出すように
「よぉ。」
としか言えなかった。

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日記才人