short story


2001年11月08日(木)


「わたし」

私は私であるが
私を形作る部品は
私と言えるだろうか。

私の血も内臓も手足も
声や仕種や癖。
それらは全て
私の所有物であり性質であったりするが
厳密に言えば
それらは「私」そのものではない。

私が私であるためには
一つも欠かすことのできないものであるのに
それらは「私」ではない。
これはどういうことだろう。
私とは一体なんなのだろう。

一つ、一つ
必要なものも
余分なものも剥ぎ取っていったら
これぞ「私」というものが
あるのだろうか。
それはどんな形をしているのか。

見つけることができるなら
命も惜しくはないんじゃないかと
ふと思ったりする。
教えてくれる人がいるのなら
命も惜しくはないと
強く思う。

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日記才人