2002年10月08日(火) |
史上最大の落語その3 |
さあ、いよいよ花緑さんの登場です。 しかしこの日は、お客さん全員が必ずしも花緑さんが目当てというわけでは無いはずだと思うのに、花緑さんの前に登場されたみなさんが、「花緑さんまでもうしばらく」とか「本命までの間しばしお付き合いを」などと必ず断りを入れてからお話をされていました。 トリを務めるということは、そういうことなのでしょうか・・・。 まあ、これが普通の落語のトリならそこまででもないのでしょうが、今回のような企画の場合はどうしても、一種前座のようなものと考えられなくもないのかなと。 うーーん、ちょっと複雑な気持ちにさせられるこれらのお言葉・・・でした。 と、前置き長くなりましたが、やっと『史上最大の落語』のお話をする時がやって参りました。 ズバリ、この落語は、花緑さんも<説明>コーナーを設けておっしゃっていましたが、かなり「実験的落語」だったようです。 まず、最初いきなりはじまったときから、正直わけがわかりませんでした。 実は事前調査で(笑)どうやらわけがわからない話かもしれないということはわかっていたのですが、本当にわたしにはよくわかりませんでした。 というか、わかろうと思えばわかるのですが、何が面白いのか、この先どうなっていくのか、このまま最後まで続いてしまうのか、色んな不安を感じるような出だしだったのです・・・。 でも、そんなことよりなにより、わたしには大きな喜びがありました。 席が、本当に良かったのですよね。 わけのわからない内容でも、その内容を全身で表現し喋り倒す花緑さんが目の前にいるのです。これはもう、これ以上の贅沢は無い!と涙が出そうなほどでした。 結局内容はといえば「ヤルタ会談」! この時期に、この話題です・・・。 花緑さん自身、命懸けだとおっしゃっていました(苦笑) ご存知ルーズベルトとチャーチルとスターリンお三人になられた花緑さんが平田オリザさんの脚本に従ってその会談を繰り広げて下さるのですが・・・。 途中、一旦この落語を中断して、<説明のコーナー>があったのでした。 いきなり素に戻った花緑さんが、姿勢も崩されて、「わかります〜??」と客席に問いかけました(苦笑)そして、花緑さんも実はさっぱりわからなかったので、どうかわからなくても気にしないで、こんなものなのかという軽い気持ちで見守って欲しいと言われました。 実は!!この<説明コーナー>が一番わたしには楽しかったです(苦笑) わたしとしては、花緑さんがただおしゃべりされているだけでとっても面白いし、とってもためになります。爆笑しつつ、へえぇ〜!と思うことばかり! 落語との境目が難しいですが(笑)こんなふうにこんなお話を、ずーーーっと聞いていたいとも思うのでした。 平田さんとのいきさつもいろいろおっしゃっていました。 少しいいわけ?もされていました・・・。 でも、わたしはかなり納得しました!(笑) これも落語??そう、これも落語なのだそうです。 そして間違いなく、この話題に詳しいかた・わかるかたが聞けば、本当に面白い脚本なのだそうです。そういった意味では、自分の勉強不足や知識不足を恥じるばかりなのですが・・・。 しかし、この<説明>のあと、エーリヒ・ケストナーの名作『動物会議』を落語に書き換えたものの朗読なども含めてますます内容は濃くなっていき、ますますわたしはチンプンカンプンに。なのに、花緑さんはやっぱり凄い!この顔は凄い!!凄いーーー!!!とずっと感動しまくりのわたし(笑) もはや、内容はどうだって良かったみたいです・・・・・。平田さんごめんなさい。 唯一この落語がはじまってすぐに気づいたことといえば、ヤルタ会談、第二次世界大戦、、おぉーーー!だから『史上最大の落語』なのかと・・・(大苦笑) そして途中で花緑さんが朗読して下さった、谷川俊太郎さんの詩『新しい荒野 アポロ11号』も良かったです。 ということで、わたしの記念すべき演芸場デビューのお話も、やっと終わりです。 よくもまあ、こんなに書きましたね(笑) 要するに、楽しかったのです。 帰りに表に出たら、出入り口の高くなっているところで、太鼓を叩いているかたがいらっしゃいました。寄席から出てきた自分に何の違和感も無し!(笑) すごくいい気分でした。 今度はふらっと来たいな〜と、そんなことを思いました。 花緑さんんは花緑さんで追いかけたいけど、ここにはふらっと来てみたい。 この空気が気に入ったみたい。 どうしてでしょうね・・・・・
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