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2003年05月02日(金) 表紙がシャネルの広告!

本棚に大切に並べてもらえる雑誌が作りたいと思う。読み返す度に高揚感を与えられるような雑誌を。記憶にとどめてもらえる人になりたいと思う。会う度に何かが残るのだと、言ってもらえるような人に。

ああ、今月の流行通信には、ちょっとすごい、ため息が出た。「映画×ファッション」という、私でもエントリーシートに書きそうなよくある企画を、何処にもないような一つの「世界」として完成させている。単なる紙の束は、編集者の手によって私のブックシェルフで決して色褪せずに光を放ち続ける宝箱に変化した。40、50年代の、むせかえるような銀幕女優たちの色気と、現在進行形で進むコレクションとのしっかりとした結びつき。問題意識はイラク戦争に揺れる私たちにまで到達する。

ブリジット・バルドーやヘップバーン、マリリン・モンローら、”永遠のミューズ”を手本にするという方法は、実は手垢のついたものだ。それならノンノだってもてるために必死で真似るし、シュプールもヴァンサンカンも繰り返し繰り返し特集を組んでいる。

でもさ、格が違うのよ。映画作品自体の立ち位置を、しっかり説明している点、私たちの生きる時代に、なぜ女優スタイルなのかをしっかり問う姿勢。毎号驚かされる美しい写真やデザイン、斬新なレイアウトは、「世界」をつくり出すための道具に過ぎない。

見かけ倒しの雑誌が多い、と以前偉そうに書いた。おしゃれっぽい、のがそんなにいいかな。本当のおしゃれって、知性でしょう。なんてまた偉そうにいってみるのは心底この雑誌を体現した女性になりたいという憧れゆえだ。今日の新潮社の面接は、私という人間の小ささを酷く露呈する結果となってしまった。自分のうまい見せ方より、どこを見せても素敵な女性になることが私の急務だと改めて感じ、気を引き締める。

そう、で、今日の面接で私は本当にこの会社に惚れ込んだ。面接官が全員もろ好み。かっこよすぎる。少しもスノッブなところがなくて、それでも仕事への静かなプライドが滲み出て、本当にいい本だけを作っている伝統が全員からばしばし感じられるわけです。髭なんかおはやしになったおじさまがずらりなわけです。

私の好みのパターン(従来)
1闇を抱えた無臭王子系
ex. 田中紘邦 加瀬亮 七尾旅人 小沢健二

2アウトロークリエイティブ系
ex. 松尾スズキ 町田康 宮藤官九郎

3優しいホスト系
ex. 特に芸能人ではあげられませんが、中学時代からこういう人をよく好きになっていました。ZIGGYとか、ヒムロックとかバンドでやっちゃうような人を。

私の好みのパターン(新)
4文学系編集者
ex. 某社社員様 坪内祐三先生

「タナカ、今月のユリイカに出ていたブロンテ姉妹の記事を見たかい?」
「ええツボウチさん、小さな世界であれだけの物語を構築するって、やはり圧倒的な才能よね」

ちょっとちょっと!!夫婦なのに名字で呼び合うのって夢。
どうでもいいことを書いて憂さ晴らしをしてごめんなさい。
おやすみね。


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