毎週毎週日曜日の夜が嫌だと言っているのはどうかと思うが、毎週毎週嫌なのだから仕方がない。
仕事をしていると、もちろん良いこともある。例えば、先日は夢が叶った。アルバイトさんのインタビューで、大手アパレルメーカーの手刺繍を手がける会社に行くことができたのだ。日本橋の、小さな問屋街の一角に、その事務所はあった。
夢というのは、「華やかな服飾業界の裏方として働く人々を取材したい、記事にしたい」ということ。就職活動中、エントリーシートと作文に、ずっと書いてきたことだ。自分としては、『装苑』でやる企画と考えていた。どこでどうなってやりたいことがやれるか、会いたい人に会えるかなんて分からないものだと思う。
刺繍と聞いて、すぐにある有名ブランドが浮かんだので「ケ○タさんとかやっていらっしゃるんですか?」と、ちらっと聞いてみたところ「あそこの刺繍はほとんど全部うちですね」とのこと。
美しいニットの模様は、一針一針アルバイトさんが手刺繍している。服を作る道が諦めきれず、1年社員として勤めた設計の会社を辞めたという女の子だった。「自分が作業してできた服を、街で着てくれる人を見た時がとても嬉しかった」とはにかむ。そんなことがある職業なんだ、当たり前のことに気付いて、鳥肌が立った。
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