夏休みの最後の日の午前中に、ちょっぴり早起きして書いています。 道後温泉の旅館で『きょうの料理』の高山なおみさんを見てから少し気になって、 昨日美容院に行く前にエッセイを買いました。 『帰ってからお腹がすいてもいいようにと思ったのだ』(ロッキング・オン)。 よかったよ。髪の毛いじってもらっている間で読み終わった。
エッセイにもレシピが付いている親切な本で、 「豆腐飯」というのが作りたくなったから早起きしてスーパーに行ったのに、 作り方を間違えました。
お豆腐は炊飯器に入れちゃいけなかったのに 思い切り一緒にといでしまった。 もう遅いので、今、試しに「炊飯」しているところです(どうなるんだろう)。
ところで、先日は強行日程にもかかわらず、道後温泉に来てくれて どうもありがとう。 おなたのおかげで、温泉旅行の楽しさを初めて知りました。 知らない土地での夜の散歩はわくわくしますね。 なんば走りで道後温泉の横にあった坂を下りたことを、 これからも忘れない気がします。
残りの二泊はこの間話したとおりだけれど、 四万十川と、高知日曜市、それから丸亀(香川)の猪熊弦一郎美術館に行きました。
四万十川とか瀬戸内海とか、ぼーっと止まった水を見ていると 仕事をしている時によく考える 「いかに効率的に時間を使うか」っていうことが 本当にくだらない、ごくごく一部のことなんだということを思い出します。
四万十川のある「中村」に向かう途中のローカル線で会ったおばさんは、 海を見ながら 「今日は海が荒れちゅうね。いつもはもっと穏やかぇがよ。今日は荒れちゅう」と 繰り返していました。
40〜50代、シャツにスカートというこざっぱりした格好の彼女は 上品なチェックのボストンバッグを持っている。 姪や甥の話ばかりするから、子どもはいないのかもしれない。 「仕事で松山に行ったがよ。今帰るところ。久しぶりに行ったらごみごみしてだめねえ。 でも自分のいるところの良さを分かるのは、旅行のいいところやね。 うちはうちはあと2駅先なんやけど、窓の真ん前に太平洋が見えるが」。 と教えてくれた。
列車のシートから身を乗り出して見た太平洋は十分穏やかに見えたけれど、 確かに少し白い波がたっていました。 とてもきれいでした。 普段は、全面青で、波なんてほとんどないのだそうです。
私は二十歳を過ぎたくらいからとても寒がりになって、 最近は特に夏が大好きです。 だから、暖かい土地は落ち着きます。 「南国土佐」「特急 南風」なんていう名前を聞くとほっとします。
旅行に行くといつもそうですが、そこに暮らしている人のことが気になります。 特に交流をもつわけでもなく、道を歩く人々を見て想像します。 私にとっては特別なこの景色が、日常としてある人々。 道後温泉に行く前に、「内子」という田舎の町を歩きました。 明治時代の町並みがそのまま保存されていて、 漆喰の白い壁と重くて黒々とした瓦ののった家に 人々は普通に生活しているようでした。 平日のお昼過ぎだったので家の中からはテレビの音が聞こえてきました。 小学生の下校に遭遇しました。 「あ、アクティブダイエットだ」とか、 私に勝手に声をかけて、 嬉しくて答えようとするとそのあとは気ままに無視して帰っていきます。
よく、会社を辞めて世界を旅した人たちが 「自分たちは生かされているんだと思った」などと語っていますよね。 旅行に行くたびに、あの気持ちが少し分かるんです。 かっこわるいから言わないけれど。
旅行中で、いしいしんじ『麦ふみクーツェ』を読了しました。 いい本だったので、今度貸してあげます。
ではまた。
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