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2006年01月22日(日) 大人になんてなりたくない

最近友人とごはんを食べると、「結婚しないの?」「転職しないの?」という話が必ず出る。いつの間にか24歳になってしまった。昨日と今日はセンター試験だったそうだが、私が受験したのはもう6年前。不思議だ。とても不思議な気持ちだ。よくおばさんで「18歳の頃と気持ちは変わってないのよ〜」などという人がいて、ずっと冗談だと思っていたが、あれは半分本音なのだということが最近分かってきた。

リカちゃんとカワムラさんとトミタさんと、4人で焼き肉を食べて帰宅したら、テレビで小田和正のドキュメンタリーをやっていた。彼は58歳だそうだ。その年齢について聞かれ、「(僕と同世代の人は)誰も58歳になるなんて、思っていなかったんじゃないかな」そして「自分はまだ、走り続けられるような気がします」と答えていた。コンサートでは、あの高い声で、全身全霊で歌っていた。汗を流してお客さんの間を走り回っていた。私は、テレビの前で泣いた。

たぶん私は、今さらこんなことを言ってもまったくむだなのに、大人になりたくないんだろうと思う。高田馬場に住んでいるのは、学生時代をいつまでもぐずぐずと忘れたくないからなのだ。

小田和正の同級生だというおじさんが、テレビに出ていた。彼は大手ゼネコンの社員だった。30年間同じ会社に勤め、不況時には社員のリストラを担当し、数年前に自分も辞めた。小さな会社に転職してから、小田和正の歌を聴くようになったという。「ずっと会社に勤めていると、夢とか、忘れちゃうんですよね。そんなに忘れてなかったつもりでも、(小田さんの)歌を聴くとね、改めて『あ、忘れちゃいけない』って気付かされるんですね」。

毎日社会人として仕事をしていると、色々なことを忘れる。仕事がどんなに面白くてやりがいがあっても、人間として大切なことは、どんどんこぼれ落ちていく。「ああ嫌だな」と私もたまに思う。何にも考えなくなっちゃったな、嫌だな。でも、たまにしか思わない。他の時は、「嫌だな」と感じることさえ忘れているのだ。本当に恐ろしいことだ。

高田馬場駅から家まで10分歩く間、いくつかの疑問を自分に投げかけた。あれほど洋服が好きだったのに、なぜ最近はショップを覗くこともしないのか。私は本当に仕事が好きなのか。物事をポジティブにとらえられるようになったのは良いことだ、でも、それは思考停止とは別のことなのではないか。歳を経たからといって、こうした不安定な気持ちは消えないのか。なぜ、最近の日記の内容はスランプだと感じるのか、など。

答えは出ない。小田和正のテレビが終わって、メールを読み返す。数日前に彼にもらったものだ。


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君にメールをしようと思っていたら君から電話があって、電話が終わったあとまた寝てしまいました。夜中に目が覚めて、NHKの『動物・植物』を観ました。互いに利益を分かち合って共生する生き物たちが色々と紹介されていました。ハゼとエビ、イソギンチャクと魚などが取り上げられていたのですが、中でも良かったのが蟻と油虫です。

油虫のお尻からは「甘露」という糖分を多く含んだ蜜がプックリと出てきます。油虫にとっては排泄物なんですが、蟻にとってはご馳走なのです。蟻は甘露をもらう代わりに、油虫の天敵(てんとうむしなど)を撃退します。

撃退の後、触覚でビシビシ叩いて甘露を催促する蟻と、言われるがままプックリと出す油虫の姿がおもしろく、かつ可愛らしかった。ああいう感じで生きていけたらなあとすら思った。

引き続き、教育テレビの『みんな生きている』を連続でやっていたので全部観てたら、この時間になったのです。

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私も何というか、こういういいメールを、人にさらっと送れるようになりたいなあと思って、答えは出ないまま、涙目のまま、眠る。


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