 
最近、洋服を見ても全くわくわくしないことがけっこう深刻な悩みです。歳をとったからなのか、面白いブランドがなくなったからなのか、私が情報収集を怠るようになったからなのか。原因はよくわからないけれど、とにかく私にとっては大きな問題です。
高校時代、初めてヒステリックグラマーを買ってしまったときの、あの優越感と罪悪感の入り交じった気持ち。大学時代にマルタン・マルジェラの白い店を訪れたときの「よくわかんないけどすげえ」という興奮。
そういった気持ちが、どこに買い物に行っても全く感じられなくなってしまいました。
「面白いブランドがなくなった」と偉そうに書いたけれど、実際そんなことはないと思っている。マルジェラの「4」とかドレステリアはいつ見ても最高だし。
でも、いいと思ってもしがないOLが買うにはありえないくらい高すぎる。逆に安いものは安いもので、あまりにも質が悪すぎる気がしています。
私は今年、ドレステリアで紺のウールコートを買って(オリジナルではなくセレクトものです)とても気に入って、着倒した。もとはとったし、買ったことにはとても満足しているけれど、とはいえこれが8万円ですよ。8万円て、高すぎるよ。いくら気に入っても、そんなにたくさんは買えない。この前も、ジョン・スメドレーのニットが最高な肌触りで、本当に欲しいと思ったけれど5万円だった。ドレステリアのオリジナルのトレンチは、6万円でした。
いいものがあまりにも高いと、最近は萎えてしまうようになった。がんばって買って、何になるんだと思うようになってしまった。だから毎日同じような服ばかり着ている。
たまに買い物に行くと、シンプルなVネックばかり集めるようになった。Vネックは好きだし、着ていて気持ちがいいけれどわくわくはしない。洋服でわくわくするっていうのは、「いいものを長く」といった守りに入った大人には分からない気持ちのはずなのです。
だいたいVネックとジーンズの組み合わせが「シンプルでおしゃれ」なんていうのは、ただの怠惰じゃないかと私は思っている。鏡の前で何度も合わせて、重ねて、ごちゃごちゃのレイヤードがだんだんひとつのコーディネートにまとまっていく過程こそが、おしゃれの楽しみだと感じる。
それで、全然気が進まないけれど「このままじゃだめだ」と思い立って、今日は買い物に行きました。でも、原宿や渋谷に行っても心がすさぶだけだとなんとなく分かっていたので、高田馬場で済ませました。
実は今、帰宅してからもけっこうわくわくしていて、家で試着などしたらさらに楽しくなった。よかったです。
左の写真のスカートは2500円。右は1500円です。安いでしょう。特に右のは気に入っていて、実はむげん堂で買ったインドの民族衣装です。巻きスカートなんですが、前が長くて後ろが短い。はくとシルエットがすごくかわいい。ストールも買いました(680円)。
こうやってリハビリをして、また洋服に情熱が燃やせるようになるといいな。面白いブランドがあったら、ぜひ(値段が高くても)教えてください。
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