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2006年06月12日(月) サさんと飲み会




彼の会社の元先輩であるサさんと飲んだ。32歳子持ちには全く見えなくて、ハンサムで背が高くて儚げで、物静かで……若い頃は相当モテたんじゃないかなと勝手に想像していた。

彼と3人で色々話して、「結婚しな」と何度も言われた。嬉しかった。

人と会うと、帰り道には色々なことを考える。

飲み会の場で、「彼氏や彼女がいるかどうかというのは、人の人生に大きな影響を与えることなのだと最近分かってきた」と話した。多くの人は息を吸うように人と付き合えているものだと思っていたから、結婚しているサさんから強い同意を得られたのには少し驚いた。

私は生まれてから昨年くらいまでまともに(愛されて)人とおつき合いしたことがなくて、だからどこへ行くにも何を食べるにも一人で大丈夫なように工夫をしてきたし、一人で楽しい休日を過ごすための計画の立て方にも長けていたと思う。次第にそれは私の血となり肉となり、私は男性とどうこうするのが面倒くさいタイプの人間なのだと自分のことを分析していた。

しかし、今になって非常にフラットな目線で考えてみると、大学時代くらいからの私はずっとずっとささくれ立っていて、孤独と向き合い続けてきた。ちょっと映画を見ればすぐに涙が出るほどに、破裂寸前のところで自分自身と戦ってきていたのだ。昔は、心の奥深くに挑んでいくタイプの文章を書いている。その鋭利さ加減を見れば、その時々のささくれ立ちようが分かる。

私は、今、とても満たされている。毎日、本当に楽しい人間関係を築けている。そのことで、鋭利な文章は書けなくなったかもしれない。でも、正直なところ、それ以外何も失っていないように思う。

ごはんは一人で食べられる。お茶も一人で静かに入れられる。旅も一人で行ける。

でも、2人で食べるご飯や、人に入れるお茶や、たまには人と行く旅行というのは、本当に楽しい。私は24歳になるまで、そのことを、本当に、知らずにいたのだ。私は事実、哀れだったのだ、辛く、痛かったのだ、ある面から言えば。

帰りの電車でサさんに、「バナナさんはどっちかっていうと『生活の手触り』を大切にする人でしょ?」と言われた。「僕とか君の彼氏とかは観念タイプ。頭の中のことがよければ3食ボンカレーでもいいやってほうに、どんどん流れていく。だから彼はバナナさんと一緒にいると、いいんだと思うよ」

暗く思い沈み、内面に降りていくことだけが日々ではない。ああ、やっと書けた。よかった。恥ずかしくてずっと書けなかったことを、今日やっと書けた気がする。


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