罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
聞きたくない事を聞いた気がする ただあの人が嘘吐きだったという事 嘘は何時だって甘い 甘く熔けさせて停滞させる 真実は何時だって重い 重さに耐え切れず足を止める けどまだ重石を引き摺って歩いた方が ずっと僕らしいだろ?
まぁ交友関係が広くなると世間が狭い事を思い知らされます。 そして、思いもよらない人間の思いもよらない話が聞けます。 噂を間に受けるほど愚かであるつもりはないけど、 そういう噂を立てられるだけ、あの人は何かをしてきた事になる。
好きだったなぁ。 その、哀しい眼をさせたくなくて。 何か出来ないかなぁって、思った。 別に嘘吐きだなんてことは最初から判っていた。 ・・・認めたくなかったけれど、ね。 だから、あなたが別れを切り出してくる事だって判ってた。 判ってた、けど、 ・・・辛かった、なぁ・・・。
何となく気付いてた事に、思わぬ所から確証を得てしまった訳だけど。 少し、やっぱり怒りを覚えた。 そして、そんなすぐにバレる哀しい嘘を吐くあなたが、・・・哀しい。 あなたは何が欲しかったの? 今、また嘘がバレて彼と別れて、何を求めるの?
嘘は、優しいね。 甘く、蕩けさせて包み込む様に。 傷は、優しいね。 苦く、卑屈な理由を呉れるから。 多分、それに身を委ねたキミが 僕に、ダブるから。 キミが、哀しい。
せめて、そうならない様に 嘘と傷のチョコレートの中で溺れない様に その中で固まって動けなくならない様に そんなモノに頼らない様に 僕は、あなたにならない。
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