罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
いつもより夜行性。 朝が辛い。 本当、日光に当たる事で灰になったり溶けてしまったりするのではないかと。
昨日、久々に翡翠が暴走。 というより意図的に暴走させてストレス解消させたかった。
知らない男と抱き合ってた。 絡み合ってた。 濃厚なキスをしてた。 僕はそれを遠くから見ているかのように眺めていた。
信じられない程高い声で喘いで、 僕の考えもつかないような大胆な動きで男を挑発してた。 合法と謳われた吸引式のドラッグ(ラッシュ)を吸わされて。 自分の身体とは思えないような淫らな顔をして。
…悔しかった。 まだオーラルで済んでるから意図的に暴走させたにせよ。 (※普通暴走時は最後までヤるし下手すると乱交) これも、やっぱり正直見たくなんかない。 でも見てられる状態じゃなきゃナニやらかすか不安だし。 やらかされた時何か出来ると限ったわけじゃないけれど。
徹底的に相手を焦らして、事が終わると、 ゆっくりと、感覚と身体の自由が戻って来た。 今まで無かった、やりきれない思いが残った。 適当に調子を合わせて男から離れる。 身体に残ってる、男の手や舌の感触。
寮に帰って、シャワーを浴びた。 悔しかったが、涙はどうしても出なかった。 出て来るのは、乾いた笑顔。
強くなってやるって思った。 涙を流せる強さってのも、在るような気がして。
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