橋本裕の日記
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2000年12月26日(火) クリスマスのケーキ

 昨日、5時頃帰ってくると、玄関に高さ40センチほどのお菓子の家が置いてあった。クリスマス用の飾りも兼ねているようである。私は悪い予感がして、居間にはいると、「まさか、あれがクリスマスのケーキじゃないんだろうね」と妻に聞いた。

「なに言っているの。あれがそうよ」と妻。「馬鹿を言うなよ」と私はきょろきょろ辺りを見回し、冷蔵庫を開けてさがしまわる。しかし、いつもの丸いデコレーションケーキらしいものはどこにもない。「だめじゃないか。買ってこいよ」と、私は妻に催促する。

 その様子を眺めていた長女が「おとうさん、心配しないで。ちゃんとあるんだから」妻も笑いながら、「だめじゃないの。そんなに早く教えては」何のことはない。私のあたふたとケーキを探し回る姿を、みんで眺めて楽しんでいたのである。悪趣味としかいいようがない。

 私が子供の頃はケーキはとても普段は口に入らなかった。それがクリスマスの日にだけは、腹一杯飽きるほど食べることができた。だから私にとってクリスマスとは、まずケーキを食べる日なのである。しかもそのケーキは今はやりのごてごてしたものではなく、昔ながらの丸いシンプルなケーキでなければならない。

 ところで、夕食のあと出てきたのは、直径15センチほどの小さなサイズのケーキだった。それでも2000円もしたのだという。部屋の灯りを消して、ローソクに火を付けた。それを次女が一気に吹き消す。何だか知らないが、おごそかな一瞬である。

 今年ももうじき終わりである。妻の風邪も治り、一日遅れでケーキにもありつけた。この一年間、家族や親しい人にこれという病気や怪我がなくて、健康でいられたことを感謝したい。そしてケーキを食べながら、私はふと、まだユニセフの募金を済ませていなかったことに気付いた。

 恵みを受けるだけでなく、ほんのわずかであっても世界の人々に恵みを分かち与えることが出来ることに、さらなる感謝を捧げたい。世界の中の子供たちが、私たちのようにクリスマスの日には、おいしいケーキが一口でも食べられる日が早く来ればいいのにと願っている。


橋本裕 |MAILHomePage

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