橋本裕の日記
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昔から哲学や宗教に関心があり、人間にとって「理性」が重要であることを理解しているつもりだが、しかし、私自身はそれほど理性的な人間ではない。すぐに理性を忘れ、怒りの発作にかられ、感情に溺れそうになる。
先日も、私はあやうく理性を失いそうになった。その日(12/26)、年賀状を印刷するためのカラーインクのカートリッジを買いにギガス関西という店に行ったが、店頭に商品が並んでいないので、「これこれの商品は、売り切れましたか」と近くの店員に訊くと、「ええ」という短い返事。「在庫もありませんか」と訊くと、「ありませんね」と口元に薄笑いを浮かべて返事をする。
店を出ながら、何という教養のない店員だろうと思った。店員の笑いが決して愛想笑いでなく、「もう売りきれたよ。ざまぁみろ」とこちらを嘲笑しているようにとれた。「すみませんね」とか「またいらして下さい」の一言があれば納得するのだが、人を馬鹿にしていると思って気分がよくなかった。私はこの店をひいきにして、ファックスやCDプレイヤーなどを買っていたが、もう来るものかと思った。
その店を出て、ユニセフの募金をしに郵便局へ行った。毎年ユニセフから用紙が送られてきていたが、今年はみあたらない。そこで、必要な振込用紙のありかを聞こうと窓口の職員に声をかけると、「番号札をとってください」とにべもない返事。しかたなく札をとって待った。そしてようやく窓口に呼ばれて、「ユニセフの振込用紙」を下さいと言うと、「置いてありません」という事務的な返事。どうしてユニセフの用紙ぐらい置いておかないのだ。だから、日本の募金率は世界最低なのだぞと、腹が立ってきた。
いらいらしながら、郵便局の駐車場を出たところで、後ろの車に警笛をならされた。いくらか割り込み気味ではあったが、警笛をならすほどのことではない。バックミラーで見ると、若い男のようである。私は怒りの発作に襲われて、ブレーキを踏んだ。もう一度警笛をならしたら、車を出て、「警笛をならすほどのことか」と相手の男に食ってかかろうと思った。
しかし、後ろの車はそのままハンドルを切って、私の車を追い越していった。追い越し際に警笛でもならすかと思ったが、そうしたこともしない。私は車を見送りながら「負けた」と思った。相手次第では、本当の喧嘩になって、正月を病院のベッドか霊安室で迎えることになっていただろう。自分の感情をコントロールできるよう修行をしなければ大変なことになると、短慮さ加減をつくづく反省した。
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