橋本裕の日記
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2001年01月21日(日) |
フイリピンも政変に想う |
アメリカの43代大統領に共和党のブッシュ氏が就任した。親子二代の大統領就任は、1825年のアダムズ大統領以来二人目だという。「アメリカンドリームはすべての人のものであると語りかけたい」とインタビューで言っていたようだが、二世(三世?)議員のこの人に言われても、あまり説得力があるとは思えない。とはいえ、国民が選挙で選んだピカピカの大統領である。
フイリピンでも政変があり、アロヨさんが大統領に就任した。辞任したエストラダ氏は映画俳優で、3年前圧倒的な国民の支持を得て大統領になったが、腐敗と縁故主義が表面化して、あっというまに支持を失った。それにしても、大統領の辞任を求めたピープル・パワーはすごい。民衆の力を前に、軍部の幹部や腹心たちも次々と寝返って、弾劾集会に駆けつけた。
アロヨさんは俳優出身のエストラダ氏とちがって、もと大統領の娘という毛並みのよい二世政治家である。米ジョージタウン大学でクリントン大統領と同級生で、経済学の修士号を持つという知的エリートでもある。これまでエストラダ大統領を副大統領として補佐してきたが、ここにきて彼女も完全に彼を見限ったようだ。
こうした海外動きをみるにつけ、派閥のボスの談合で成立する日本の首相はどうにかならないものかと思う。そこで期待されるのは「首相公選制」だが、民間の「新しい日本をつくる国民会議」(亀井正夫会長)が最近まとめたアンケート調査によると(対象は全国会議員)、54%の議員が首相公選制を「前向きに検討すべき」と答えている。政党別で最も高かったのは民主党で、同党議員の73%がそう答えた。そして自民党議員も、回答者のうち42%が「前向きに検討」を支持している。
不思議なのは本来革新系だとされる左翼の方から、首相公選制の声が挙がらないことだ。その理由は、日本のインテリは国民を信用していないからだと思う。たしかに首相公選制にすれば、エストラダ氏のような人気俳優や、石原慎太郎のような右翼的な政治家が首相に選ばれる公算は大きいだろう。
しかし、それも民主主義の学習ではないだろうか。このままではいつまでたっても日本に民主主義が根付くことはないだろう。世界は大きく変わりつつある。この世界の変化に迅速に対応できる、若くて知力のあふれた指導者を、私たちは自分たちの手で選びたいものである。そのためにも、議院内閣制の早急な改正を要求したい。
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