橋本裕の日記
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今日は立春だという。立春は一年を二十四節気に分けたうちのひとつで、冬至と春分の中間の日だという。地球に対する太陽の位置が、太陽黄経315度の日だそうだが、理科の教師をしていた私にもこれはよくわからない。
ところで二月は如月(きさらぎ)ともいう。辞書を引くと、「衣更着」と書いてある。朝の食卓で、私は大いばりで「二月をきさらぎというのは、なぜかわかるか。衣を更に着ると書いて、きさらぎと読むんだぞ」と得意の講釈をしてみせた。二月は一年で一番寒い季節だから、衣を更に着るわけだ。理屈にあっているので、妻も娘たちもいつものように半畳をいれてこなかった。
ところが長女が学校から帰ってきて、「おとうさんのおかげで、はずかしい思いをした」という。古文の時間にその知識をひけらしたところ、先生から「それはおかしいわね。旧暦でいる如月は、現代の4月なのよ」と笑われたという。
ねがはくは花のしたにて春しなむそのきさらぎのもちづきのころ
古文の先生は黒板に西行のこの有名な歌を書いて、説明してくれたという。たしかに旧暦のきさらぎは4月だろう。だから、桜の花が咲くのである。「衣更着」というのは、春の陽気に誘われて衣替え(更衣)をする季節という意味らしい。またしても、私のはやとちりである。
ところで、インターネットで知り合った「夢河童」さんから、「自叙伝」を書き始めたというメールの便りをもらったので、さっそく覗かせてもらった。そこに、「四十歳は青春の老年であり、五十歳は老年の青春である」という西洋の諺が引用してあった。夢河童さんも、私とほぼ同じ世代である。「五十歳は老年の青春である」という言葉はなかなかよい。彼の自叙伝を読むのが楽しみである。
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