橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
昨夜は、9人ほどの生徒の家に電話をかけた。いずれも髪を染めているクラスの生徒たちの家である。お母さんやお父さんを呼びだしてもらって、「髪を染めないように、家庭の方でもご配慮していただけますか」とお願いした。
ほとんどの親は「先生も大変ですね。以後気を付けますので、今後ともよろしくお願いします」という返事が返ってきた。一人の母親だけ、やや苦情めいた言い訳を聞いたが、それも尖った言い方ではなく、本当に困っている様子が伝わってきたので、むしろ同情した。
実を言うと、私の家にも茶髪の高校生がいる。次女が春休みのうちに髪を染めて、そのまま学校に通いだした。自分の娘が茶髪でありながら、人様の家の子供たちの髪の色に因縁をつけているのだから、おかしなものである。
娘の高校では茶髪は校則違反ではないらしい。だからほとんどの生徒が染めているという。先生も何も言わないし、学校はそうした個人的なことには関知しないという立場らしい。髪を染めたからと言って、何も実害はないと判断しているのだろう。
しかし、他校から転勤してきた教師の中には、髪の色やスカートの丈について違和感を感じ、文句を言う先生もいるという。そうした教師に対する生徒の反応は「先生なら他にもっと中身のあることが言えないの」というところらしい。実際そうした教師に限って授業がお粗末なので軽蔑され、ときにはクラスで授業をボイコットされることもあるらしい。
次女からこの話を聞いて、私も彼女に髪のことが言えなくなった。「他にもっと中身のあることは言えないの」と逆襲されそうな気がするのだ。それにしても、そんな怖い学校が勤務先でなくて、ほんとうによかった。
|