橋本裕の日記
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2001年05月02日(水) |
対話重視、国民本位の改革を |
朝日新聞の世論調査で、小泉内閣の支持率が78パーセントに達したという。この数字は歴代内閣の最高だそうだ。前任者の不人気の反動もあるのだろうが、そればかりではない。やはり「改革」を志向する小泉さんの姿勢が評価されたのだと思う。
新政権の経済財政相になった経済学者の竹中平蔵さんは、名うての「構造改革論者」として知られているが、彼は入閣に当たって、小泉さんから「これからすさまじい戦いになる。一緒に戦場に行ってくれ」と言われたという。
入閣した以上、竹中さんにもその覚悟はあるのだろう。彼は朝日新聞の取材に対して、「構造改革には政治的な力と知恵が必要だ。私は知恵の部分を担う役割だと理解している」と述べ、さらに「政治的な抵抗に対抗する唯一の力は世論だ。つねに世論との対話をつづける」と言っている。
構造改革には痛みが伴う。経済成長率は短期的にマイナスになるだろうし、失業率もあがる。そうした中で、世論は揺れるだろうし、それに乗じて当然保守派の巻き返しがはじまるに違いない。高い支持率を続けるためには、しっかりした中長期の展望を示すとともに、社会的弱者に対する配慮を怠ってはならない。そして国民との対話を重視することだろう。
小泉さんは総裁選挙中、「国民の支持があれば、かならず党員が支持する。党員が支持すれば議員も無視できない」と語り、陣営幹部が「もっと国会議員票にも力をいれて」と助言しても耳を貸さなかったという。小泉氏がこの姿勢を崩さないかぎり、多少の犠牲を覚悟で国民は小泉氏の「改革」を支持するのではないだろうか。
ところで気がかりなのは、新しく幹事長になった山崎氏が首相公選制に関して、「そこまでやるなら、九条を含め、権利と義務、地方制度など全部一緒にかえるべきだ」と発言していることである。「全部一緒」という発想ほど恐ろしいものはない。小泉氏の改革をつぶすのは、たぶん身内のこうした硬直した古い発想ではないかと思う。小泉氏の高い支持率は、日本という国がとんでもない方向に暴走しかねない可能性をはらんでいることも銘記すべきだろう。
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