橋本裕の日記
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2001年05月10日(木) 「首相公選制」と改憲論

 小泉首相が誕生して、「改憲」の動きが活発化した。小泉さん自身、名うての「改憲論者」で、戦力の放棄をうたった九条を含めて改憲すべきだという、かなりのタカ派である。その彼が私的な諮問機関を作り、首相公選制の実現に向けて動き出すという。

 彼は首相公選制について、「総理を選ぶ権利を国会議員から国民に手渡す政界の規制緩和だ」と述べている。首相公選制は現行の憲法では無理なので、当然改憲が必要であるが、この点についても「首相公選制のためだけの改選なら理解されやすい」と言う一方で、「首相公選制が実現すれば、憲法改正の手続きも鮮明になる」と述べ、これを改憲のための「突破口」にするという意図も明言している。

 朝日新聞のアンケート調査では、74パーセントの人が「憲法第九条をかえないほうはよい」と答えている。小泉内閣の支持率は78パーセント、首相公選制に賛成する人も8割を越えると言うが、そのほとんどの人が憲法9条の「改正」を望んでいない。

 私も首相公選制に賛成だし、そのための改憲はいたしかたないと思っているが、しかしこれを「突破口」に九条まで変えられてはたまらない。首相公選制は改憲へのステップではなく、民主主義実現のためのステップでなければならない。小泉首相はこうした国民の声に耳を傾けて欲しい。そうでないと、支持率はアッという間に下落し、国民の政治不信はさらに深刻な状態に陥るだろう。


橋本裕 |MAILHomePage

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