橋本裕の日記
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2001年05月27日(日) 反行革トライアングルを崩せ

 公益法人は、営利を追求せず公益に関する事業を行なう法人で、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人、社団法人、財団法人がある。その数は約25万。そして、公益法人は、公益事業に関する所得については非課税になっている。

 こうした公益法人が増えたのは、「民活」を合言葉にした、鈴木善幸内閣時代の土光臨調の結果である。行政機能を代替するという名目で、公益法人が手がける検査、検定、認定、資格付与などが増えた。

 財政法の規定によると、国が特定の事業を行なう場合や特定の資金を保有して運用を行なう場合、特定の歳入歳出を一般の歳入歳出と区分する必要がある場合に「特別会計」が設置される。

 その額が一般会計の5倍近くになっていることは昨日も書いた。この特別会計が既得権益化していて、しかも特殊法人や公益法人の支出が、特別会計のベールに中に隠れている。永田町への裏金ルートとして使われていてもわからないので、「政・官・業」の癒着が生じやすい。

 作家の猪瀬直樹さんは「日本の研究」の中で、「特殊法人、公益法人が寄生虫のように国家財政を食い荒らしている」と書いている。さらに、「霞ヶ関(官)」・「永田町(族議員)」・「虎ノ門(特殊法人、公益法人など政府系機関)」を「反行革のトライアングル」と名付けている。

 「行政改革」とは、この最強のトライアングルを崩すことであり、そのためには、「特殊法人等の行政代行機関を情報公開法の対象にする」こと、行政情報の宣伝機関になっている「記者クラブの廃止」や「国民の官依存体質からの脱却」が必要だという。

 今日の朝刊によると、石原仲晃行革担当相が公務員の天下りについて、情報開示の徹底を図る方針を固め、政府の行革推進事務局に見当を指示したという。個人名や再就職先の企業のポストのみならず、選考過程や企業の業務内容まで公表すべきだとしている。

 ちなみに昨年度関連企業へ再就職した794人のうち、個人名や企業名が公開されたのは40だけ。日本を支配する「天下りの構図」を崩すためにも、情報開示を徹底的に実行して欲しい。


橋本裕 |MAILHomePage

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