橋本裕の日記
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2007年11月08日(木) 殿のご乱心か

民主党代表の小沢さんが、一旦発表した辞意を撤回して、代表を続投するのだという。福田総理との2回にわたる会談で、自民党との大連立に傾いた小沢さんを、民主党はそのまま続投させるようだ。小沢さんがいなければ民主党は次の総選挙に勝てないということらしい。

小沢さんは11月4日の辞任記者会見で「民主党の政権担当能力はいま一歩」と発言した。この5日間を眺めていると、たしかに政権担当能力を疑われても仕方がない。これまで民主党に期待していた国民の多くも、この騒動にがっかりしたのではないか。

小沢さんは福田総理と二人きりの会談を持った。党首会談が悪いわけではないが、やるならもっとオープンに行うべきだろう。これでは国民不在の密室政治、あるいは談合だと批判されてもしかたがない。

そもそも小沢さんは小選挙区制を通して、政権交代可能な二大政党政治を実現したいと主張してきた。小沢さんの今回の行動は、こうした彼の持論と整合するのだろうか。これらの点について、小沢さんは記者会見でこう述べていた。

<民主党はいまだ、さまざまな面で力量が不足しており、国民の皆さまからも「自民党は駄目だが、民主党も本当に政権担当能力があるのか」という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢にあります。

その国民の懸念を払しょくするためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生 活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績を示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現する近道であると、私は判断いたしました>

これを読んでも、「政策協議」がどうして「大連立」にまで飛躍するのか理解できない。北大教授(現代政治)の山口二郎さんも、「大連立の話に乗ったところで、小沢氏の政治生命は終わった」ときびしい。

小沢さんは民主党の代表であって、オーナーではない。したがって、そもそもこうした大胆な路線転換をするなら、まず党内でのコンセンサスつくりを優先すべきだろう。そして政治家としての説明責任を自覚して、国民にも理解を求めるべきだろう。いきなりトップダウンで命令し、役員会で反対されたからやめるというのでは思慮の足りない駄々っ子のようである。

今回の騒動を通して多くの国民は、小沢さんが思った以上に器量の小さい凡物であり、旧態依然とした談合政治屋の一人かも知れないと気づいたのではないだろうか。小沢神話が崩れたことは、長い目でみれば民主党にとってもよかった。できることなら民主党は新たな代表の下で、次の総選挙を戦ってもらいたい。

(今日の一首)

政治家は二世三世あたりまえ
これでよいのか我らの暮らし


橋本裕 |MAILHomePage

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