橋本裕の日記
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2007年11月10日(土) 浮力の発見

水中では体が軽くなる。お風呂に使っていて気持がいいのは、全身があたたまることの他に、体が浮いて、重力から自由になった解放感もあるのだろう。

アルキメデスは「水面下に沈んだ分に相当する体積の水の重さだけ、その物体は浮力を受ける」という有名な法則を発見したが、これも入浴中だった。彼はうれしさのあまり、浴場から飛びだして、何か叫びながら、裸のまま街を走ったらしい。

水より軽い物体はなぜ水に浮くのか。「軽いからだ」というのがこれまでの答えだった。アルキメデスはさらにつきつめて、「軽いとなぜ浮くのか」と考えた。そして「浮力」を発見した。

これはニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て「重力」を発見した話とよく似ている。それまでの人は「なぜ物が地上に落ちるのか」ということについて、「重いからだ」としか答えようがなかった。ところがニュートンは「重力」のせいだと考えた。そして「重力」は「万有引力」だと見破った。

さて、浮力が存在することは、水に体を沈めてみればわかる。それではこの浮力はどういうメカニズムで生まれるのか。これはかなり難題である。物体はなぜ水面下に沈んだ分に相当する体積の水の重さだけ浮力を受けるのか。科学の得意な人でも、これについて満足できる説明を与えることは、なかなかむつかしいのではないだろうか。

(今日の一首)

 あたたかき風呂につかればしあわせが
 羽衣のごと我が身を包む


橋本裕 |MAILHomePage

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