橋本裕の日記
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先週の3連休は全国的な好天で、絶好の旅行日よりだった。最高気温が17度ほどもあったらしいから、この季節にしてはかなりあたたかかった。
ところで、私たちは「あたたかい」とか、「冷たい」ということを、温度計の目盛りで測っている。この温度計を最初に発明し、「温度」という概念を着想したのはガリレオだといわれている。
ガラス管に空気をいれて、水に逆さに入れる。そして管の底をあたためると、空気が膨張して、ガラス管の中の水位を下げる。その下がり方で「温度」を測ろうというわけだ。もっともガリレオの温度計は気圧の影響などをまともに受けて、使い物にならなかった。
長さや広さを物差しで計るところから文明は生まれたといわれる。しかし、「あたたかさ」などという目に見えないものを計るというのは、簡単ではない。熱によって物体の容積が変化するということは知られていたが、これで「寒暖」を計ろうと考えた彼の着想はユニークだ。
この着想を受け継ぎ、実用的なものに改良したのが、デンマークのオーレ・レーマーだった。彼は1702年に水の沸点を60度、水の融点を7.5度とする温度目盛を作成した。現在ではこれがさらに改良され、赤い色を付けたアルコールや水銀などが試験媒体として用いられている。これらはいずれも熱を加えると物体は膨張するという性質を利用したものだ。
その他、金属の電気抵抗や絶縁体の誘電率の変化を利用した電気式温度計もある。あるいは温度の違う二種類の金属を接合させたとき発生する電流を測定する「熱伝対温度計」などもある。
いずれにせよ、温度によって変化する物体の性質を利用したものだ。なかでも、物体の膨張に着目した「膨張式温度計」は原理も簡単で、温度を目に見える形で直接見せてくれるので、私たちにはとてもわかりやすい。
(今日の一首)
秋の野をしみじみ歩く赤き実が 日差しのなかでよろこびのうた
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