橋本裕の日記
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2007年11月28日(水) |
地球温暖化は悪いのか |
温暖化が進んでいるらしい。この100年間で平均気温は0.74度上昇した。理由は人為的なものが9割で、その大半は二酸化炭素ガスによる温室効果だという。あと何十年かすると北極の氷がなくなる。シロクマやアザラシなど、生存があやぶまれている。
もっとも寒がりの私は、地球温暖化はありがたい。もう何年も前から冬に福井に帰省しても根雪がほとんど見られなくなった。スキーができないのは残念だが、北陸で生活する人たちにとって、雪との戦いはつらいものだ。
ところで「北極の氷が融けると海面が上がる」と考えている人がいるようだが、これはまちがいだ。北極の氷は水中に浮いている。氷は解けると水になるが、その分体積が減少する。したがって氷がいくら融けても海面は変らない。氷を浮かばせたコップの水があふれないのと同じ理屈である。
それでもこの100年間で海面は7センチほど上昇している。この海面の上昇はなにによってもたらされたのか。アルプスなどの氷河が融けた影響もあるが、一番大きいのは海水の熱膨張だという。これで海水の体積がふえ、海面が上昇したと考えられている。
今後の見通しについて、ICPP(地球温暖化に関する政府間パネル)の予測では、このまま予防措置を講じなければ、今後100年間で4度ほど上昇するという。これはこれまでにくらべると、かなりハイペースの気温上昇だ。
平均気温が4度上昇すると、海面は40センチほど上がるらしい。もっともこれで日本中の住宅や学校が水浸しになるということではない。潮の満ち干きで生じる潮位の変化は200センチにもなる。また夏と冬の海水温の変化による海面の変化も40センチほどある。
その他、都市部では地下水のくみ上げによる地盤沈下の影響が大きい。すでに大阪ではこの100年間に260センチも水位が上昇しているという。これにくらべれば地球温暖化による水位上昇は、取るに足らないものだといえよう。
私は地球温暖化は世間が騒ぐほど気にしていない。それよりももっと深刻なのは、空気や水の汚染である。二酸化炭素の規制よりも、工場や車から排出される窒素酸化物など、公害の規制や対策を優先して欲しい。
(参考文献)
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」 武田邦彦著 洋泉社
(今日の一首)
もずがなくしげみの上の青い空 風もさわやか山辺の道
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