橋本裕の日記
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昨日の夕方、玄関に注連縄を飾り、正月を迎える準備も大方整ったところで、妻を誘って自宅から少し離れたシルビアという喫茶店に行った。そこで二人でコーヒーを飲み、ケーキを食べた。お金は私が大部分(1000円)を出した。昨年の春に私のお小遣いが3万円ほど上がってから、妻とこうして喫茶店へ行く機会がめっきり増えた。
そこで妻に「日本語教師になりたい」という私の定年後の計画を話した。停年まであと3年ある。この間に日本語教師になるための勉強をして、検定試験に受かりたい。そして定年後は、主に外国で日本語を教えながら暮らす。
日本語教師はあくまでボランティアなので、定年後は退職金や年金で暮らすことになるが、それでも多少の小遣い稼ぎにはなるだろう。また、そうした経済的な問題を超えて、多くの人たちと語学の学習をとおして交流するのは素敵なことではないか。
このことはこの3年間、セブに語学留学して痛感したことでもある。私の場合、英語の学習をとおして、フィリピン人やアメリカ人の先生、韓国人、中国人の学生たちと交流した。そしておなじ日本人とも、異国の地でまた一味違った楽しい心の交流ができた。
何かを学習しながら交流の輪を広げるということはすばらしいことだ。これは語学の学習に限らず、俳句や短歌でもよいし、妻のように近所の人たちと畑仕事に精を出したり、書道教室に通うことでもよい。そうした交流の場をもっていれば、心の糧にもなるし、人生がますます豊かで楽しいものになるだろう。
さて、今年の抱負としては、日本語教師の勉強の他に、もう一つ、文学の創作ということを考えている。そしてできれば今年か来年中には同人誌を創刊したい。小説を書くということは、私の若い頃からの夢だったが、これも定年後の私の生きがいの柱にしたい。そのための助走をそろそろ始めたいと考えている。
具体的には今年から毎週日曜日の日記に小説を連載したい。かなりの長編になりそうなので、今年1年で完結するかどうかわからないが、とにかく失敗覚悟で連載小説をひとつ完成させてみようと思っている。また、同人誌という場を通して、よりゆたかな出会いと交流の場が生まれればと思っている。
これまで小説を書くことに消極的だったのは、これに熱中すると正業である教師家業の方がおろそかにならないか心配だったからだ。しかし、そうした心配をしていてはなにもできない。ときには「自己本位」を押し通すことも必要だ。
あとどのくらい生きられるか分からないが、幸い二人の娘たちは独立した。もうこの年になったら、あくせく他人の顔色をうかがいながら生きるのは馬鹿らしい。私もこれからは自分が本当に好きなことをして、たのしく自己本位に生きて生きたい。こんな手前勝手な話を、妻は「それでいいんじゃない」と了解してくれた。ありがたいことである。お茶やケーキのおごりがいがあった。
喫茶店から帰ってくると、次女がソファで寝ていた。警察官をしている次女は宿直明けである。しかし、さいわい元旦は1日だけ休めるらしい。看護婦をしている長女は元旦の早朝まで病院勤務だという。我が家の娘たちは働き者だ。社会の底辺をささえる仕事は大変である。働きすぎて体をこわさないようにして欲しい。
今年がどのような年になるかわからないが、私自身は健康を第一に考えて、多少は他人や社会のことも考えながら、自分のできることをぼちぼちがんばりたいと思う。
年越しの蕎麦を食べれば除夜の鐘 ふるさとの寺思い出したり
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