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Land of Riches
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10連休明けに4連勤して週末を迎えました。本来なら4営業日しかないのに長かったです。 毎朝胃痛で目が覚めます。人間ドックの胃検査をバリウム+X線から課金して内視鏡に変えたので、 私の胃の上部が不完全な形状で何もしなくても胃液が食道に逆流して炎症を日常的に起こすのだと 知識を得ているので多少の安堵はあるのですが、仕事のストレスが強いのだと実感します。
連休明け初日の会議では同僚の懐妊が公式発表されたんですけど、祝福ムード皆無でした。 人間として終わってます。同僚もリストラと重ならないようタイミング苦慮していたようなのに。 帰宅して本を読もうとしても目が滑ってすぐに閉じてしまったのですが、旅行先の岡山では2日で 2冊をほぼ読了したので、廊下ではなく仕事での疲弊が原因なのだと推察できます。
読破したうちの1冊は、ホロスコープ選書企画で我が家に来た『ベルリンは晴れているか』でした。 選書3冊中、読了した2冊は私小説でしたが、これは直木賞候補+本屋大賞3位のミステリー。 第二次大戦敗戦直後のベルリンで1人の男性が毒を仕込まれた歯磨き粉で不審死。被害者を含め、 さまざまな事情を抱えていたアーリア人とユダヤ人、そして進駐軍の立場と心情が交錯します。
主人公は外見こそヒトラーの言う模範的アーリア人少女ですが、父は共産主義者で収容所送り、 母はそれを受け自殺。彼女自身も子供の頃から身近にいるユダヤ人の処遇に疑問を抱いたり、 外国語である英語に興味を持ったりします。不審死との関与を疑われた彼女はユダヤ人の元俳優と 亡くなった男の甥に死を伝えるべく旅立つのですが、ユダヤ人元俳優が実は外見がそうなだけで れっきとしたアーリア人だったり、優生扱いされた価値観が完全否定された結果、精神崩壊した アーリア人たちに会ったり(生きているだけマシな方でヒトラーの後を追った人も多数いた)、 「生命の泉」計画でレイプされて死産した末に薬物中毒になった少女と遭遇したりします。
ナチスの罪=ユダヤ人の被害が強調され、ドイツ人はその教訓を学ぶべき…とされがちですが、 アーリア人にも(冷静に考えたら当たり前なのですが)いろんな価値観を持つ人がいることが 繰り返し描写されます。そして戦勝国に属する人の倫理観が全員まともなわけでもなく、 主人公も赤軍兵にレイプされ相手を銃殺したと序盤で明かされます。ソ連兵も上官から下っ端まで 複数人が登場して、いろんな立場と価値観がいると描かれますし、最終的には一人の人間でさえ 行動原理が一貫しているわけでないと書かれてることにより、意外な『犯人』が浮上します。
不審死した男はかつて何人もの子供に砒素を盛って死に追いやった連続殺人犯でした。 主人公の父が助けた少女も男の毒牙にかかり、主人公はそれを知って男に毒を渡したのです。 男はそれを拒絶もせず、普通に歯磨き粉として使って自死しました。 そう、主人公は全てを知りながら周囲に語らず、多くの人と出会って物語を紡いだのです。
何が凄いって、これが翻訳小説ではなく、日本人作家が書いた日本の文学作品という点です。 似たような設定で日本を舞台にすると生々しくなってしまうからかもしれませんが。
もう1冊は戦闘妖精雪風シリーズ『アグレッサーズ』で、イオンモール岡山の未来屋で買いました。 続きが読みたくて、柏に戻ってきてから電子書籍で続く『インサイト』も一晩で読破しました。 次の日は自業自得の寝不足で大変でした。新3部作の1冊目・2冊目だそうで、未来が楽しみです。
雪風シリーズは1979年に刊行された短編連作が1作目。50年近いシリーズになります。 人間とコミュニケーションが取れず、異星の軍隊「FAF」送りされた主人公の深井零。 自機・雪風と飛ぶのが楽しく“恋して”しまった零ですが、撃墜されかけ自爆スイッチを押した際、 雪風のAIは心中を拒否し、データをテスト飛行中の無人機に転送+零を座席射出します。
精神科医との出会いや新任フライトオフィサ桂城との相性の良さ、宿敵ジャムとの遭遇を経て、 零は立ち直りますが、ジャムが模造人間をたくみに使いこなし、実質的に地球侵攻を果たします。 新3部作はそんな地球から日本空軍のエースパイロット伊歩(女性)がFAFに来て始まります。
機械とはコミュニケーションできる零、他人の情報は把握できるのに心情には無関心な桂城とも また違う「他人に重きを置かない姿勢」を持つ伊歩。アグレッサーズでは彼女と零の模擬戦、 インサイトでは彼女が零と雪風に乗る戦いが描かれます。伊歩は零のように難のある育ちでは (零は里子として複数の家庭を転々とした)ないのに撃破欲求に駆られる天性の性分により 軍隊に入るしかなかったのですが、なんと不可視であるジャムを視認できる能力持ちでした。
雪風も彼女の超能力を見逃すはずなく“その目を己のシステムに組み込む”よう二人を誘導します。 この過程で、零が伊歩を抵抗なく雪風のメインシートに座らせたのにはビックリしましたし、 雪風のリクエストにより最終的には前後席を入れ替えさせたのも驚きでした。伊歩は自信過剰な 描かれ方をしていましたが、それでも自ら雪風のドライバーになれないと悟るのです。
最終盤、ジャムは「情報」を摂取する<通路>そのものではないかという推論が急浮上。 パイロット零+フライトオフィサ桂城のペアが乗った雪風は未知の戦域へ……で幕切れとなります。 ブッカー以外の人間に興味なさそうだった(それもちょっかい出すのはブッカー側が一方的に) 零が他人の会話を聞き内心を想像したり、マフィンとスコーンの区別がつかない桂城を叱ったり、 メンタルが成長した零を感じ取れる描写が多くて、なんだか嬉しかったです。母親気分?
本といえば昨日、StageStarsの刀ミュ表紙本も受け取りました。アニメイト通販で予約したので 発売翌日の受け取りでした。数年前の一時期、刀ステでキャラ扮装の表紙が流行ったのですが、 長谷部のターンは回ってこなかったので、6振り並んでとは言え表紙は嬉しくて購入したのです。 IGNITIONのMVに続き予定が合わなかったんだ…と感じさせる雑な写真切り取りでしたけど、 それだけの6人なので仕方ないです。今回の部隊で最年少は2000年生まれの加藤大悟さんですが、 LHIのように最年少でもない木原さん(1998年生まれ)が末っ子ムーブかます予感がしました。 以前FGOの舞台でベディヴィエールを演じた佐奈さんはじめ、推しではない役者さんの生年月日や 血液型って知る機会そのものがないので、プロフィール欄の情報を妙に新鮮に感じました。
木原さん、水江さん、佐奈さんって3人揃ってB型なんですね。言われてみれば分かるような…。
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