Land of Riches


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 2025年12月14日(日)   Supporting Actor 

刀ミュ新作の初日配信を見ました。長谷部も出陣するので、初めてグッズの事前販売に応募。
当選し、2日前に仕事を早退してアニメイト秋葉原でパンフやペンライト等を買いました。
池袋のメイトだと落選者もいたようです。夕方でもランダムグッズ残っていましたが、
ペアランブロ6枚買って1枚も長谷部が写っているのが引けなくて大ショックでした。
(後日20枚ヤケ買いした際に5枚中3枚自引き、他2枚も交換してコンプリート)

過去作でもやたら兄弟(頼朝と義経、家康の子息たち、モブの子供にも兄弟がいたり)を
取り上げてきた刀ミュが今回取り上げたのは喧嘩別れして弟を毒殺した足利兄弟。
観応の擾乱といえば大河ドラマすら太平記の1回しかやっていない創作鬼門の時代です。

どう扱うのかと尊氏ファンとして注目しましたが、南朝要素はほぼ全部切り落とし、
尊氏の後継たる義詮も一度名前を出すだけで兄弟と二人を複雑に繋ぐ存在の直冬のみに
登場人物を絞ってきました。作中でも説明は一応ありましたが、分からなかった人も多そう。
道誉はその3人と傍観者でしかない(歴史人物の物語が強すぎて男士が物語を動かせない
弱さをパンフで新木さんと木原さんが語っていて、当事者も分かっているのか…と思ったり)
男士だと話を動かしにくいので、その婆娑羅ぶりで物語の動力となっていました。

過去何作もかけて匂わされてきた刀ミュ本丸黎明期の悲劇、当事者が誰かを開幕直後に提示。
脚本家の交代は人気男士の出演を要請してきた制作委員会側との対立によるのでは…と私さえ
邪推したくなるぐらい。浅井さん脚本になってから追加された男士は人気キャラばかりです。
折れた男士がいて三日月が出奔して…は当初構想からありそうですが、伯仲の本丸内での
立ち位置はほぼ間違いなく後付けでしょう。その補強となるための「夜半」だと感じました。

鎌倉幕府を倒す前は同じ理想を求め、月夜に語らった美しい記憶を共有していた足利兄弟。
室町幕府は二頭体制で始まりましたが、道誉や高師直らが突きつける現実と妥協した尊氏と
理想に殉じてしまった(民の喜びは見られても民の苦しい暮らし自体は直視できなかった)
直義は対立。時間遡行軍の差し金もあり、刀ミュ因縁の地・平泉周辺に直義を長とする
共和国という南北朝時代にはありえない概念の国家が誕生してしまいました。

これを瓦解させるべく出陣した長義隊長の6振りが繰り広げる物語が今作となります。
グッズでは初だった山姥切国広は参騎の結末を受けて作中では極として登場。
江水での陰鬱さが信じられないくらい精神的にも安定し(加藤大悟さんのガタイの良さが
説得力を増している)まだ初の長義とのコントラストを感じさせます。
審神者の刃選は長義のサポートを主体としているようにも思えます。
(メタ的には伯仲、桜梅、切長コンビやらの審神者人気を当てにしているとしか…)

共和国に潜入し、時には白拍子一座に扮したりもした長義とヘルプ担当の後家と五月雨。
後家は上杉家での米沢在住歴、五月雨は奥の細道と東北との縁が理由になっていましたが。
一方、京都で尊氏の観察を担ったのは青江と国広の極コンビ。さすがの安定感です。
長谷部は九州との縁を受け、ひとり筑紫の直冬を担当。剣術稽古の相手を求めていた直冬に
感情の発露法を伝授します。実父から見捨てられ、養父を慕う直冬に自分を重ねながら。

男士は共和国住民から神扱いされ、否定する場面が出てきます。結果だけを欲する男士は
戦いを放棄した理想の国がなぜ降伏しなければならない…と長義の最終通告を拒否した直義の
姿勢を受け、最終的には共和国住民を撫で斬りにすることで歴史の辻褄を合わせます。
共和国がなければ苦しい暮らしによる病や飢えで、どうせ生きていられなかったのだからと。
命乞いする庶民の姿を目に焼き付けつつも、主命を果たすため躊躇なく殺していくのです。
それでいて、自害しようとする直義を歴史通り兄に殺されるために後家が止めたりもします。
あまりにも残酷な、刀剣男士の使命。それを飲み込みながら戦い続けるしかない彼ら。

共和国を消せと命じた審神者は、黎明期のトラウマを抱え、壊れ始めた存在でもあります。
ラスト、国広がスルーした審神者の不調に気づいたのは長谷部でした。
長谷部が刀ミュの物語で背負っている役割は審神者と気安く近しい存在であることと、
長義のメンタルサポートをすること。観応の擾乱から帰還した長義が修行に出て独り立ちを
目指す段階となった夜半の終結をもって、残念ながら物語上の役割は果たしたと思われます。
夜半のラスボスは直冬に憑いたカゲだったので、それとの対峙で見せ場はもらいましたが。
(逆に言えば直冬関係しか物語に絡んでおらず、存在感を出すのが難しいのが課題だと
パンフの事前対談で話していました。今回の対談は濃密でペア決めた人に感謝しかないです)

山姥切国広をかばって折れた初期刀は歌仙。花の雨は彼が初鍛刀の今剣に請われた作でした。
今剣はショックで該当出陣の記憶を喪失。…という辻褄合わせでclosingに向かうようです。
恐らく同時に鍛刀され半座を分かつとされた三日月と鶴丸は主への貢献法で激しく対立。
最後の当事者が青江と分かり、単騎出陣で仲間の増加に苦慮していたのも納得しました。

出演俳優のスケジュール等もあるのでしょうが、座組に最も貢献度が高そうな総隊長の清光が
陸奥一蓮でも戦力としてはほとんど成長していない扱いだったり、前作の坂龍があまりにも
苦々しい終わり方(守人として竜馬の代役を強要されたリョウマの犠牲とは?)なのに対し
モブ大量虐殺があったとはいえ(あったにもかかわらず?)夜半が比較的穏やかに終わったと
感じられたり、もともとシリーズ構想でなかったとはいえ、一貫性のなさを強く感じます。

私には長谷部が活躍するかが一番重要なのですが、先述の通り本公演は今回が最後かと。
これは後家も同じだと思います。人気あるから脇役には抜擢されるものの、所詮そこまで。
長義は物語を捻じ曲げられる程、売上が凄いんでしょう。今回のレートも図抜けてますし。

むしろ2027年に完結するのにそこまでの間にやれそうな本公演の回数を考えると、
今回出陣機会がもらえた長谷部はめちゃくちゃ恵まれている部類に入ると思われます。
今後もこれまでと同じように、大型公演で歌い踊るだけの数合わせ存在として終わってしまう
男士が結構な数で発生してしまうでしょう。単騎シリーズは挙手制らしいですが、
もっとたくさんの男士がやるべきだと私は感じます。難しいんでしょうけどね…。

2025.12.31 wrote


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