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78円と813円 - 2011年02月22日(火) 仕事帰りにマックスバリューで買い物をした。 WAONで支払いをしたら引かれたのはわずか78円だった。 ドーナツひとつに牛乳1パック、冷食2袋、厚揚げ豆腐を1パック。 これで78円なんて。ものすごいお買い得。 よほど気付かないふりをして出て行こうかと思ったが 「いや、さすがにおかしくないですか?」 と申し出ると、「研修中」の腕章をつけたレジのおばちゃんは慌てて上司を呼んだ。 前の客の買ったポテトチップスの値段をバーコードリーダが誤って二回読み取ってしまい、それがそのままわたしのWAONでの支払いに反映されてしまったということらしかった。 「研修中」のおばちゃんが、こないだうちを辞めたスタッフさんとちょっと雰囲気が似ていて、上司にがんばって状況を説明している姿をわたしはじっと見つめていた。 上司は明らかにわたしより若い男性社員だった。もちろんおばちゃんよりもずっと若い。母親と息子ぐらいの差はあるのではないか。かなりのイケメンだったが無愛想だった。むしろ無愛想だからより一層イケメンに見えたのかもしれない。いやそんなことはどうでもいい。社員は無表情におばちゃんの状況説明を飲み込み、最後まで黙ったまますべてを解決した。 なにぶん無愛想なので、ものすごいムカついてるように見えた。 けれども支払いを終えてレジから遠ざかってゆくときに 「あとでちゃんと詳しく教えます」 と社員がやさしくおばちゃんに言うのが聞こえた。 おお。イケメン。 わたしも彼を見習い、もっとやさしくスタッフ教育に勤しまなければなるまい、と思いながら家路に就いた。 こないだは逆に、淡麗生のいちばん小さい75円の缶をひとつだけ買って帰ろうとしたら510円と出てきてびっくりした。思わずレジ台に載っている淡麗生を二度見した。75円と見せかけておいて実はそんなに高いとか、そういうことなら買うのをやめなければ、と一瞬でいろいろ考えてしまった。 で、これはたぶんWAONだからなんだろうと思うが、レジの人はこっちが言わない限りどうも気付かなかったようなのだ。今日もこないだも、二回ともそうだった。なんというか、払う側も実感がないが取る側も実感がない。互いに金銭感覚に疎くなるのだ。 お月謝をいただくときもそうだ。教科を増やすならそれに伴って毎月のお月謝も増えますけどどうしましょうか、とかそういう話をするときに、現金で追加分を払ってもらうのとすべて口座引き落としで済ませるようにするのとでは、後者のほうが断然承諾を得やすい。実際に払う金額は同じなのだが、負担感がたぶんまったく違うのだ。現金で支払うとなると、その金額の重みがずっしりと実感を伴ってのしかかってくるのだろうと思う。口座引き落としだと知らないうちに払ったことになっているから気持ちとしては楽なものだ。くどいが、金額は同じなんだけどね。 -
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