Love Letters
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「もう、会えない。」
汗ばんだ身体を
あなたから離して、
呟くように
告げました。
あなたは
何も答えず、
もう一度、
私の身体を
抱き締めようとしました。
私は、
あなたに背中を向けて
猫みたいにうずくまり、
あなたの気持ちを確かめるように、
もう一度、言いました。
「もう、会わないから…」
「こっちを向いてごらん。」
あなたの低い声が聞こえました。
今度は、私が何も答えず、
目を閉じました。
このまま
深く愛し合った
最後の記憶だけを
心と身体に残して別れられたら、
それは、
一番幸せな別れだろうと思いました。
私が、望むのは、
お互い
相手を恨まず、
涙を流さずに別れられること。
「小夜子、こっちにおいで。」
広いダブルベッドの端っこで
うずくまっていた私に
あなたが言いました。
振り向かない私を
あなたは、
後ろから抱き締め、
尖った胸の先端や
ぴったり閉じていた脚の付け根の奥の
敏感な部分を
愛撫しました。
「嫌い…」
言葉とは裏腹に
唇から
切ない吐息が零れてしまう…
再び
快感の海に
溺れていく私…
身体も心も
互いを裏切ることは出来ないのでしょうか。
小夜子
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