「えっ」姉ちゃんが福神漬けの袋を持ったまま目を丸くしただってさぁこいつ 腹減ってそうだったしそれに靴も履いてなかったから…カレーを並べて突っ立ってるタカシを座らせる食卓の灯りの下ではじめて気付いたこいつのパーカーの肩口の汚れは黒じゃなく 赤茶だった死んだ動物の毛みたいにゴワついた髪は血でくっついて 束になったものだった