海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年06月26日(木) マキノ吟吹雪の会

昨年からJAマキノ町の後押しで、マキノ町産の「吟吹雪」を仕込みに使わせてもらっています。JAマキノ町さんは特産品開発の一環として、マキノ産コシヒカリ「清水桜」というブランド米をすでに販売していますが、ほろよいの蔵が地元マキノ町で山田錦を栽培していることを知り、酒米もぜひやってみたいと打診がありました。

徳島や兵庫に大切にしている栽培者があるとはいっても、弊社はやはりマキノの地酒屋です。やる気のある地元の栽培者さんが手を上げている以上、ひと肌ぬがないわけにはいけません。

マキノ町蛭口の安井保雄さんと、寺久保の久保井五夫さんが吟吹雪をつくてみようということで、昨年は2人で約8反(80アール)作付してもらい67俵の収穫がありました。

品質はモミ摺り(表皮であるモミガラを除去して玄米にする作業)直後は、未熟米や汚い玄米が目立ちましたが(あとで聞くと1.9のふるいで選別したのが原因でした)、2.0のふるいで2度選別しますと、見違えるように綺麗な米粒ばかりになり、みごと米穀検査は1等にとおりました。

吟吹雪は「玉栄」という滋賀県の酒造好適米に「山田錦」を交配した大粒米なので、血統上、心白の出現率は高いのですが、マキノのそれは、ほとんどに心白が入った優秀なものでした。

今年は、お二人の吟吹雪だけで「竹生嶋・純米酒」を仕込み、いつにまして味わいの濃いコクのある純米酒ができあがりました。

今夜はそのお米で仕込んだお酒のおひろめを兼ね、JAマキノ営農販売課長の伊吹さんと、安井さん、久保井さんと、ほろよいの4人(マキノ吟吹雪の会と勝手に名前をつけました)で駅前の「ととろ」で宴会でした。

宴会で3人さんと歓談しながら、ほろよいは、しのび持ったデジカメで皆さんの笑顔を狙います。実は、このお酒の裏張りに2人の顔写真を入れようという思惑があったからです。

いつもはいかついお二人さんも、お酒を飲めば笑顔満面、いいお写真がとれました。さっそく顔写真入りの裏ラベルをつくらねば。

吟吹雪を植えた田んぼは知内川の中流域にあり、今さかんにホタルが飛んでいるあたりで、いわゆるマキノの「里山」の1部を構成している田んぼです。ここでとれたお米で酒造りをすることで、里山の保全に間接的にお手伝いできるのもうれしい話ではありませんか。

もう数年栽培を続けて、お二人が吟吹雪の栽培に慣れたら、マキノ里山の地酒として、新しい商品設計で、純米吟醸あたりを造ってみたいなあと夢見ています。


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