ほろよいが小学生5、6年くらいの頃、「くれくれタコラ」という題名の着ぐるみのコントが、午後7時のゴールデンタイム前の数分間放映されていました。
タコの子供が、他人の持ち物を際限なく欲しがって「クレクレ」とくいさがり失敗するという内容の、他愛のないドタバタコントでした。
「くれってクレクレ くりゃりんこー。何でも欲しがるクーレクレタコラー……」 今でも変に主題歌だけは克明に覚えています。
少し以前、年に2,3度しかお買いにならない取引先から、発注の電話があり、生酒1ケース(1.8リットル6本)御注文いただいたあと、「化粧箱をもらえますか」とのお話し。「申し訳ありませんが有償になりますが」と応対していた妻が申し上げると、「じゃあいいですわ」とあっさりお断りになりました。
サービスカートンという悪しき習慣がこの業界にあり、一升瓶で1本や2本3本いりの簡易式の化粧箱を、販売促進のために、大手メーカーや地方メーカーを問わず、以前はタダで配ったものです。
昔は1店舗あたりの年間販売額も大きく、それくらいの(といっても決して安いものではない)サービスはさせていただきましたが、DSに押されて小売店さんの年間販売額は年々減少しています。弊社としても、「竹生嶋」の売上に協力していただいているお店と、そうでないお店とでは対応がちがって当然なのですが、今でも当たり前に「なんでもタダでもらえる」とお考えの酒販店さんがおいでになります。
物を頼むまえに「自分のお店が、そのメーカーに対してどれだけの貢献をしているのか、年間いくら販売しているか、自分の申し出がそれに対して合理的なものなのか一度吟味されたらいかがでしょうか?」といいたくなるときがあります。
それを考えないで、ダメもとで居丈高にメーカーに強要するのは、ほろよいには冒頭のドタバタコントのように子供じみて感じられます(決して、そんな酒販店さんをタコといっているのではありません)。
居酒屋さん向けの看板、酒燗器、酒器、冷酒グラス、化粧箱などなどなど、メーカーに頼らず、少しは自分の懐をいためてリスクを負うのが、プロの商売人だと最近強く思います(何度か痛い目をすれば、ダメな飲食店経営者を見る目を養えるというものです)。
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