海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年10月30日(木) 杜氏がやってくる

きのう能登の西尾杜氏から電話があり、11月3日、昼過ぎに蔵入りするとの事でした。

先勝の蔵入りです(杜氏さんは、たいてい日を選びます)。

すでに、仕込蔵や製麹室の掃除がはじまっており、春夏秋と生酒の倉庫として使用してきた酒母室の商品在庫の移動など、小林君と早藤君は大車輪の活躍です。

ほろよいは酒造計画の立案で頭を悩ませています。

9月末で商品在庫をチェックしたところ、レギュラー清酒の在庫が多めで、今年はかなり減らさねばなりません。純米吟醸や吟醸も、商品によっては、少し売れ行きがにぶいので、これも調整しなくてはなりません。

案の定、今年も県産好適米の質が良くなく(収穫後の乾燥時の人為的なミスで胴割れを出すなど、去年の反省がまったく生かされていない)、玉栄は特等が全然なくて主に1等で県内蔵元に供給されるそうですが、注文数量の30%は半ば強制的に2等が割り当てられるそうです。

その割には、仮払価格が1俵で2千円以上も値上がりしているのはどういうわけでしょうか(100俵買ったら去年より20万も多く払わねばならなくなります)。「ユーザーである酒造業者の現在の経営環境をまったく考えず、質が悪いのに、値上げをする」こういう売り手の感覚がよくわかりません。

思い切って在庫整理をするつもりで減産することにしました。ただ、地元農家との契約栽培で収穫したお米でつくったお酒は、今年も新しい展開を考えています。

徳島県山田錦などは、ちゃんとユーザーのことを考え、本年の米の品質も勘案して、よく考えた仮払価格を今年は提示されておられます。

農家の経営状態については理解しているつもりですが、「自分の都合ばかり考えて栽培した」好適米とはいいかねる品質のお米を、地米だからといって積極的に買おうとはどうしても思えないのです。

こんなことをやっていると、酒質勝負の蔵元は、県内外の優良な栽培農家との直接取引きの比率をどんどん増やしていくに違いありません。

酒や米や薬など、これまでお上に管理保護されてきたギョーカイというのは、いつになったら風通しがよくなるのでしょうかねえ。


 < 過去  目次  未来 >


ほろよい [HOMEPAGE]

My追加