ほろよいのお店にも、花見のお客様がおいでになりはじめました。
ひやかしの方もけっこうおいでですが、こんな無名な地酒をお買い求めになる奇特なお客様もけっこうおられます。
おもしろいことに、720ml以上の容量のお酒をお買い求めになるのは、「あの人にたのまれたから」とか「前に買って美味しかったから」、あるいは「地酒で辛口の生酒を」といった明確な目的意識がある方がほとんどです。
逆に、買うつもりもなく、ちょっと覗いて見ようという方は、せいぜい300mlが関の山ですが、カップ酒やら、ごくありふれた普通酒ではなく、ちょっとめずらしい純米吟醸など、少し価格が高めのものをお買い求めになります。
レジに立ちながら、いろんなお客様の購入行動をながめていると勉強になります。
危機感をもって思うのは「おみやげ需要」がほとんどないことです。ほろよいがこの業界に入った昭和の末年ごろは、信楽焼の徳利にはいった原酒がかなり売れたものですが、今は、そういうものはほとんど売れません。
「容器で金を取っているんだろう」という消費者さんの、お考えがありありと伝わってくるようです。
結局、観光客相手でも小技に走らず、地酒蔵元の本道を歩むことが正解なのかなあと思う今日このごろです
ただし蔵元秘伝とか、杜氏入魂などというお題目はもう通用しないので、「どうしてこのお酒を造ったのか」という蔵元の気持ちをストレートの消費者さんにぶつけた方が結果が良いような気がします。
|