「お父さんにお土産にしたいけど、重いからねえ」
お花見の期間中、一日に何度も店で耳にした言葉です。
ちなみにこれは一升瓶のことを指しているわけではありません。四合(720ml)瓶のことを言っておられるのです。
消費者さんは、すでに一升瓶のことは念頭になく、四合瓶か300ml瓶か、どちらにしようか、ということで品定めをされるようになってしまいました。
ここ数年、日本酒の容量革命というべきものが進行し、ひと昔前の何でもかんでも一升瓶という世界から、経済酒など大容量はパック、地酒など高付加価値酒は720mlないし300ml瓶に容量が急激にシフトしはじめています。
(未確認ですが)新潟のある大きなメーカーも、720ml瓶や300ml瓶の急激な増加を見越して、小瓶の瓶詰めラインを新設しているという噂をききました。
ほろよいの蔵も、年末の「初しぼり」以来、各種の新酒を販売していますが、720ml瓶の注文が多いこと。すでに5000本以上の瓶をビン屋さんから購入いたしました。
もう居酒屋さんのような業務店と、御年配のコアな「竹生嶋レギュラー酒ファン」しか一升瓶の需要はなくなろうとしています。
ある意味、冷蔵管理しやすく、呑みきりサイズの四合瓶や300ml瓶の方が、酒質重視の観点からは望ましいのですが、リサイクルシステムが一升瓶ほど完備していないのが玉にキズです。
加えて、ビン型や色に豊富なバリエーションがあって、酒質に応じたデザインが可能というのも魅力です。
最初のお話にもどしますが、ほろよいはお花見の期間中、720ml瓶はすべての商品について大量陳列し、180mlは本醸造の酒カップ、300ml瓶は2種類だけをお店の一番目立つところに置きました。
地酒を買おうと目的意識をもっておいでになるお客様は、重いとは言いながらも四合瓶をお買いになります。
300ml瓶や180ml瓶のお客様は、衝動買いや、ひやかしの方が多いようにみうけられました。
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