どの酒屋さんにどんな商品を流していくか、けっこう頭の痛い微妙な問題です。
酒屋さんの商品知識やら、貯蔵管理能力で当然出せる商品は決まってきます。たとえば「純米大吟醸斗ビン取り生原酒」なんて商品を、常日頃レギュラー酒しかあつかっていない、冷蔵庫にはビールと発泡酒しか入っていない酒屋さんにはすすめられません。
チルド流通の能力のない問屋さんのルートに生酒を流すわけにもいけません。最近はさすがになくなりましたが、真夏に「○○支店吟醸生酒720ml3本届けてください」なんてえ非常識な注文をしてくる会社が本当にありました。「あなた会社の研修で生酒の扱い方習っているはずでしょう。チルドでお届けしなければならないんですが、マキノからあなたの支店まで自動車走らせて2時間かかるんです、バラ3本のためにうちが自腹を切らねばならないんですか、せめてケースで御発注ください」とさすがにいいかえしたことがあります。
気に入った商品を、自分の商域で独占販売をしたい酒販店さんも多いようです。たとえばA市にP酒店とQ酒店という競争関係にある酒屋さんがあるとき、P酒店とお取引している場合は、Q酒店と取引を控えることがこの業界では往々にしてあります。
P酒店さんとしては、せっかく努力して自分の商域で、ある程度売れるようになったお気に入りの商品を、競争相手が仕入れて販売し、お客さんを取られてしまうのは許せないことでしょうし、その考え方はほろよいも理解できます。
ただ、今は日本酒不況の時代で、いくら1エリア特約店1店舗制をとってもエリア外から売りこみにくる酒屋さんが増えてきています。ネットで有名地酒を取り扱う酒屋さんもふえていますので、なかなか完全な独占販売とはいかないようです。
きのうも取引先の酒屋さんと一杯飲んでいたら、昨年末、弊社の「初しぼり」をその酒屋さんの近くの量販店に卸したことに触れられ、酒の勢いも手伝ってけっこうキツイ物言いで叱られてしまいました。
ほろよいとすれば、「初しぼり」という商品は、年末のバタバタした時期に、広いチャンネルで、太く短く販売するにはもってこいの商品だと考えて、量販店(といっても、平和堂やダイエーなんて本格スーパーではなく、地元のAコープなんですが)に流したのですが、その酒屋さんは少なからず影響を受けてしまわれたようです。
こんなに日本酒が売れない時節に、酒屋さんの顔をうかがって自己規制をかけてばかりではいけないのですが、今の御店主のお父さんの代から親しくさせていただいていた酒屋さんのお叱りなのでいささかショックでした。
ハー、日本酒っていうやつは、造るのもしんどいですが、売るのもしんどいですなあ。
|