ちゃーむす日記
ちゃーむす



 父の話し。

あの頃、夕食の時父はいつも、お酒を飲んでいた。
テレビでドラゴンズの試合が中継されると、何が何でも、チャンネルを合わせた。
勝てば、おおはしゃぎで踊り出す。
負ければ、画面の中の選手や監督に向かって「おまえが悪いでいかんわー!!」
と、勝手なことを言いまくっていた。

野球の無い日の、夕食事の会話でよく出るのが父の「疎開」の話し。
何度も、何度も同じ話しを聞かされた。

一人でおじさんのところへ汽車に乗らされ疎開に行った話。
日の丸弁当の話。
疎開先の悪がきに、袋叩きにあった話。
アヒルの卵の、卵焼きの話。
親が恋しくって、布団の中で泣いた話。
おじさんに叱られ従兄弟と柿の木に縛られた話。
まだまだ、沢山…。

酔いが回るといつも、喋る。

私達、姉妹は「またか〜」
と思いつつも、「ふんふん」と聞いてやる。
(なんて、素直な子供達だったんだろう??)

未だに、一緒に食事をするとそんな話しがたまに出る。
多分…
食べる物が無かったあの時代。
よっぽど、つらかったんだろう。
よっぽど、ひもじかったんだろう。
だから…
今のこの時代、贅沢過ぎる食事の時間になると思い出してしまうんだろう。


24時間やっているコンビニ。
有り余るほどの、レストランでの食事。
グルメと言う名の、贅沢。
手に入れようと思えばいつでも手に入る、食べ物。

「ごはんつぶを残すと、目がつぶれるよ」

そんなことを今でも、子供達は言われているのだろうか?



2001年08月16日(木)
初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加