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■ 父の話し。
あの頃、夕食の時父はいつも、お酒を飲んでいた。 テレビでドラゴンズの試合が中継されると、何が何でも、チャンネルを合わせた。 勝てば、おおはしゃぎで踊り出す。 負ければ、画面の中の選手や監督に向かって「おまえが悪いでいかんわー!!」 と、勝手なことを言いまくっていた。
野球の無い日の、夕食事の会話でよく出るのが父の「疎開」の話し。 何度も、何度も同じ話しを聞かされた。
一人でおじさんのところへ汽車に乗らされ疎開に行った話。 日の丸弁当の話。 疎開先の悪がきに、袋叩きにあった話。 アヒルの卵の、卵焼きの話。 親が恋しくって、布団の中で泣いた話。 おじさんに叱られ従兄弟と柿の木に縛られた話。 まだまだ、沢山…。
酔いが回るといつも、喋る。
私達、姉妹は「またか〜」 と思いつつも、「ふんふん」と聞いてやる。 (なんて、素直な子供達だったんだろう??)
未だに、一緒に食事をするとそんな話しがたまに出る。 多分… 食べる物が無かったあの時代。 よっぽど、つらかったんだろう。 よっぽど、ひもじかったんだろう。 だから… 今のこの時代、贅沢過ぎる食事の時間になると思い出してしまうんだろう。
24時間やっているコンビニ。 有り余るほどの、レストランでの食事。 グルメと言う名の、贅沢。 手に入れようと思えばいつでも手に入る、食べ物。
「ごはんつぶを残すと、目がつぶれるよ」
そんなことを今でも、子供達は言われているのだろうか?
2001年08月16日(木)
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