アナウンサー日記
DiaryINDEX|past|will
2001年03月07日(水) |
英語の話・・・その4(ついに試験本番) |
3月4日、日曜日。ついに英検2次試験本番当日である。早起きして問題集に取り組むつもりが、あっさり寝坊。朝昼兼の食事を採ったら、もう出かけないと試験に間に合わない時間になっていた。ワタシという人間は、トコトン緊張感がないというか、間が抜けている・・・。
集合時間の午後1時。強い風の中、会場の長崎外国語大学に到着すると、予想通り高校生の群れ。その中に、チラホラと社会人らしき姿を見つけ、ホッとする。OL風の20代と思しき女性や、自分と同じ30代サラリーマン、60は過ぎているだろうオバちゃん・・・待ち時間を利用して単語をチェックしたりしている姿になんだか目頭が熱くなる・・・みんなイイ年して頑張ってるんだなあ。ワタシも・・・頑張ってないか(爆)。
試験会場は4階だ。順番は、受験番号は関係なく「来たヒト順」というわけで、4階に数部屋ある試験室から、廊下、階段と長い列が出来ている。遅めに来たワタシは、ほとんど最後尾の、2階と3階の踊り場付近に並んだ。
職業柄、列に並ぶ人々の観察をしてしまう。英検2級レベルだと高校生が多い。全体の8〜9割は高校生のようだ。友達同士でコソコソ話をしている子が目立つ。「すっごく緊張するよねー」と何度も繰り返している。一方、社会人受験者達は、黙々と参考書などに視線を落としているのが印象的だ。・・・そういう姿を見ていると、ワタシも何だか緊張してきた。
ラジオやテレビ、舞台の上で喋ることにもはやまったく緊張しないワタシにとって、それはとても新鮮な感覚であった。そして、ドキドキはすぐにワクワクに変わった。「多分今日は不合格だけど、たまたま幸運が重なって受かっちゃうかもしれないし・・・よーし、いっちょやったるかー」
と、前向きな気分になったところで列が一気に動いた。会場整理のアルバイトの女性が来て、ワタシの隣で立ち止まり「この方から後ろのひとはついてきてください」と言って歩き出し、少し離れた教室まで誘導した。いよいよである。
面接試験が行われる教室の前にはパイプ椅子が4脚並べてあり、私の前にはまだ4人座っている。しばらく見ていると、みんな自分の順番が来ると何も言わずにスーッとドアを開けて無言で入っていくので「あれ?」と思う。問題集には「May I come in ?(入って良いですか)」と試験官に尋ねるのがエチケット・・・と書いてあったのだが。まあいいや、ワタシはそうしよう。・・・でも待ってる間、見える範囲のいくつかある試験室で、何か言いながら入っていくヒトは誰もいなかった。
ついに自分の順番が来た。緊張の一瞬だ。ドアを少しだけ開け「May I come in ?」と大きい声で言うと、50代くらいの日本人男性試験官がクルッと振り向き、ちょっと意外そうな表情で「Yes, please.」と言った。多分、今日そうやって入ってきたのは、ワタシが初めてなのだろう(笑)。
さっそくフリートークで「学生ですか?」と聞かれ、「いいえ、ワタシはNBCで働いています。テレビのニュースキャスターやラジオのアナウンサーをしています。でも仕事では、英語は使ってません。日本の放送局だから、日本語だけでいいんです」と、調子にのって余計なことまで言うと、試験官から「NBCの人が海外でレポートしてるの見たことあるけど」とつっこまれ、あせる・・・。
|