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2003年06月08日(日) 俺イズム。

 またしても、邦画ビデオ1本。
奥田瑛二が企画・監督・主演した、「少女」

 愛知県瀬戸市の寂れた町並みの中で、不思議な倦怠感を持って
描かれる、疲れた中年男と女子中学生の真剣な恋物語。

 なんつうか、奥田瑛二の奥田瑛二による奥田瑛二のための映画 ですな。

 これといって夢も希望もない、ありふれた日常生活を送る中年男性が、
ふと夢見てしまうような、一種こっ恥ずかしいほどの設定と、映画全編に
散りばめられた男のダンディズムというか、ヒロイズムがね。嫌いじゃないが。
これを嬉々として企画立案して、自分が主演するって、結構な自己陶酔だよ。

 それにしても、奥田瑛二は、こういう駄目駄目なんだけど、
決める時にはバシッと決めるぜ、的な中年男性役が、異様に嵌るね。
こんな自堕落で優しいオッサンなら、そりゃマセた波乱万丈中学生の陽子
じゃなくても、コロッとおちるわ。

 陽子役の、新人の小沢まゆが、凄く可愛い。
中学生を演じるだけあって、結構若く見えるのに、いっそ清清しいほどの
見事な脱ぎっぷりと色っぽい表情だし、演技も変な癖がなくて、
思い込んだら一直線な感じがよく出ていて、好感が持てました。


 ああいう、オヤジと美少女、というベタな設定は、大好きです。
有名どころだと、レオン とか、愛人−ラマン− とか。

 プラトニックだろうが愛欲まみれだろうが、幼さ故の傷つくことを
恐れないひたむきさと、忘れかけた純粋な情熱に引き摺られて、
逃れられない深みに一緒に飛び込んじゃうオヤジが、愛おしくて仕方がない。


 この映画も、展開的に、ん?と疑問に思う点もありますが、
全体的な雰囲気は、とても好きです。面白かった。

 


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まめ。 [HOMEPAGE]