またしても、邦画ビデオ1本。 奥田瑛二が企画・監督・主演した、「少女」
愛知県瀬戸市の寂れた町並みの中で、不思議な倦怠感を持って 描かれる、疲れた中年男と女子中学生の真剣な恋物語。
なんつうか、奥田瑛二の奥田瑛二による奥田瑛二のための映画 ですな。
これといって夢も希望もない、ありふれた日常生活を送る中年男性が、 ふと夢見てしまうような、一種こっ恥ずかしいほどの設定と、映画全編に 散りばめられた男のダンディズムというか、ヒロイズムがね。嫌いじゃないが。 これを嬉々として企画立案して、自分が主演するって、結構な自己陶酔だよ。
それにしても、奥田瑛二は、こういう駄目駄目なんだけど、 決める時にはバシッと決めるぜ、的な中年男性役が、異様に嵌るね。 こんな自堕落で優しいオッサンなら、そりゃマセた波乱万丈中学生の陽子 じゃなくても、コロッとおちるわ。
陽子役の、新人の小沢まゆが、凄く可愛い。 中学生を演じるだけあって、結構若く見えるのに、いっそ清清しいほどの 見事な脱ぎっぷりと色っぽい表情だし、演技も変な癖がなくて、 思い込んだら一直線な感じがよく出ていて、好感が持てました。
ああいう、オヤジと美少女、というベタな設定は、大好きです。 有名どころだと、レオン とか、愛人−ラマン− とか。
プラトニックだろうが愛欲まみれだろうが、幼さ故の傷つくことを 恐れないひたむきさと、忘れかけた純粋な情熱に引き摺られて、 逃れられない深みに一緒に飛び込んじゃうオヤジが、愛おしくて仕方がない。
この映画も、展開的に、ん?と疑問に思う点もありますが、 全体的な雰囲気は、とても好きです。面白かった。
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