すんごい久しぶりに、「不思議の国のアリス」読んでます。 子供向けの児童書版ではなくて、お馴染みのちょっと不気味な 挿絵入りですが、解説が欄外に載っている、翻訳本。
日本語以外の小説を読む場合、韻を踏んだ表現やことわざ、 その国や時代の習慣や風俗が理解できないと、なかなか面白味や 裏に潜む意味が伝わらずに、魅力が半減してしまうことも多いですが、 こういう解説がこと細かについていると、話をより深く理解するには すごく便利だと思うわ。初めて読むにはちょっと邪魔だけど。
アリスに関しても、押韻やアナグラムなどの言葉遊びが テンコ盛りで、登場人物の設定まで、さまざまな意味を踏まえた上で 成立しているので、子供の頃に読んでいたのとはまた違った視点で 物語を捉えられて、なかなか興味深かったです。
例えば、お茶会をしている奇妙な言動のイカレた 3月ウサギ と 帽子屋
3月ウサギ = 繁殖期である3月頃のウサギが、狂ったように飛び跳ねる ことから、常軌を逸した様子を示す言葉。
帽子屋 = 当時の帽子の製造過程において、材料のフェルト処理に 硝酸水銀を使用していたため、水銀中毒を “ mad hatter’s disease(狂った帽子屋の病)”と呼んだ。
という話を知っていると、アリスの話の根底にある、ブラックで 意地悪でちょっと偏見的な、大人(ルイス・キャロル)の視点が 透けて見えてくる気がしませんかね。
まあ改めてそんな風に読んでみると、どえらくアナーキーな話だね。 筋が通ってるとか通ってないとか、そういう次元じゃなくて 歪んでいるといか、狂ってる。怖っ。
夢野久作の「ドグラマグラ」に通じる匂いがするね。
|