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2004年04月05日(月) 暗黒アリス。

 すんごい久しぶりに、「不思議の国のアリス」読んでます。
子供向けの児童書版ではなくて、お馴染みのちょっと不気味な
挿絵入りですが、解説が欄外に載っている、翻訳本。

 日本語以外の小説を読む場合、韻を踏んだ表現やことわざ、
その国や時代の習慣や風俗が理解できないと、なかなか面白味や
裏に潜む意味が伝わらずに、魅力が半減してしまうことも多いですが、
こういう解説がこと細かについていると、話をより深く理解するには
すごく便利だと思うわ。初めて読むにはちょっと邪魔だけど。


 アリスに関しても、押韻やアナグラムなどの言葉遊びが
テンコ盛りで、登場人物の設定まで、さまざまな意味を踏まえた上で
成立しているので、子供の頃に読んでいたのとはまた違った視点で
物語を捉えられて、なかなか興味深かったです。


 例えば、お茶会をしている奇妙な言動のイカレた 3月ウサギ と 帽子屋 

3月ウサギ = 繁殖期である3月頃のウサギが、狂ったように飛び跳ねる
          ことから、常軌を逸した様子を示す言葉。


帽子屋 = 当時の帽子の製造過程において、材料のフェルト処理に
        硝酸水銀を使用していたため、水銀中毒を
        “ mad hatter’s disease(狂った帽子屋の病)”と呼んだ。


という話を知っていると、アリスの話の根底にある、ブラックで
意地悪でちょっと偏見的な、大人(ルイス・キャロル)の視点が
透けて見えてくる気がしませんかね。    


 まあ改めてそんな風に読んでみると、どえらくアナーキーな話だね。
筋が通ってるとか通ってないとか、そういう次元じゃなくて
歪んでいるといか、狂ってる。怖っ。

夢野久作「ドグラマグラ」に通じる匂いがするね。


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まめ。 [HOMEPAGE]