NY州在住 <旧『東京在住』・旧旧『NY在住』>
kiyo



 関西語を考える

 イサカもいよいよあつくなってきました。
 図書館で軽く勉強した後ゴルフへ、というローテーションしかしてないおかげで、日に焼けることがない私も結構黒くなってきました。

 変わったことと言えば、ちょっとある関西人と親しくなりまして、数日間話し込んだことです。彼は25年間東京に行った日数合計で一週間ない、という筋金入りの関西人です。おかげで関西にいる気分。私は西日本(関西、岡山、博多)がとても水があうので、とても心地が良い。ところが、彼が帰国してしまい、関西語がまた聞きたいなーと思っていて色々考えることがある。
 便利な表現がある。決して英語で説明できないが、便利極まりない。


(1)いうたら
 関東語でいえば「いってみれば」とかでしょうが、関西語だと「いうたら」がとてもメジャーな言葉ですよね。非常に便利。

・「かいつまんでいうと(=要するに)」
・「例えるならば」
・「なぜかといえば」
・「っていうか」
・「むしろ」

 等の用法を全て含むと考えられる。いうたら、この言葉は、便利っちゅーこっちゃな。


(2)「〜してはる」「〜はん」
 これがめちゃくちゃ便利。

「何してはるんですか?」
「kiyoはん、学食におったで」

 などが用例である。尊敬語や丁寧語に類するものだが、どれくらい丁寧か、というのがポイントだ。これを関東語で言ってみよう。

「何をしてらっしゃいますか?」or「何をしていますか?」
「kiyoさんは、学食にいらっしゃいました」or「学食にいました」

 となるわけだ。どうよ?どうも、堅苦しくはありませんか?kiyoが友達だけど、ちょっと年上で、まぁため口をめちゃくちゃ使うわけにもいかないが、体育会系のような厳しい上下関係もどうかなー、という微妙なラインをついてくるじゃありませんか。

 例えば、犬だとそれは顕著になる。(あえて比べるために前段だけ同じ言葉にしておく)

A:「社長、犬を探しているんですか?さっき、そこで犬はん、御飯たべはってました」
B:「社長、犬を探しているんですか?社長の犬さんは、御飯を食べていらっしゃいました」

 どうよ?Bは社畜感いっぱいじゃありませんか?ところが、Aは、それなりに犬にも「丁寧感」を出している。このそれなりに、というのがポイントですね。こんな微妙なラインは関西語しかつけない。


(3)「何しとんのや?」
 直訳すれば「何してるの?」ということになりますが、意味はこれだけでは済まない。

・「何してるの?」
・「元気?」
・「どういうことだろう」or「大変なことだ」
・「めちゃくちゃありがとう」

 等の意味が含まれていると考えられる。阪神が優勝したときに空港を降りてタクシーにのったのです。するとタクシー運転手は、
「阪神優勝したなぁ〜。何しとんのや〜!」
 というわけですよ。
 ま、いろいろ便利な表現ですね。

 なんか、こういう話をすると、「古来、日本語は曖昧だから全てコンテクストの中で意味が定まる」なんてことを聞きそうですがね。その前に勝手に言葉の定義を変えないで、辞書上の意味を話して欲しい、と、アホな奴と話すと思うわけですが。

 私もイサカくんだりでなにしとるとかいな。(博多語)


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【追伸】
写真は上から、サイクリング中に友達になった人、イサカの住宅街の家の一つ、関西語ネイティブスピーカー


2007年06月19日(火)
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