思考過多の記録
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2009年05月12日(火) |
涼風が吹いた〜オーディションの日〜 |
一陣の涼風が吹いた。
先週日曜日(10日)に僕の演劇ユニットFavorite Banana Indians(FBI)の、初めての出演者オーディションが行われた。 何故今回オーディションを行ったのかというと、理由は主に2つある。 1つは、単純に登場人物が多いこと。 来年に予定されている第8回公演の出演者は、何と21人。アンサンブルを含めると25、6人を予定している。 これだけ多いと、とても僕の知り合いだけではカバーできない。それでなくてもここ1年は公演も打っておらず、人脈も細っていた。 オーディションであれば、僕の周囲以外からもたくさんの人に参加してもらえる可能性がある。
実は以前、「演劇ぶっく」という雑誌の「人材募集」欄で、同じようにキャストを公募したことがあった。 このときは2人の男性の役者が連絡をくれたのだが、結局2人とも諸事情から出演には至らなかった。 その後には、ネットの掲示板を使って公募したこともあったが、このときは制作さんが応募してくれただけだった。 しかし、今はmixiという力強い媒体がある。 2006年の「Unforgettable」という芝居でも、このmixiが大活躍してくれたことは記憶に新しい。 今回は、このmixiの他に、「役者ドットコム」というサイトの人材捜しの掲示板にも書かせていただいた。 これは予想以上の効果を発揮し、今現在で25人の役者さんがエントリーしてくださった。
今ひとつの理由は、先に書いたこととも若干重なるが、これまでとは違った人達とやりたかったということがある。 まだはっきりとは書けないが、今回はある有名事務所の役者さんなどにも声をかけている。 こういう人達は当然事務所を通してお話をさせていただくことになるが、それ以外でも、これまでの「小劇場的」な人材とは少し違う、あまり気心が知れていない人達と作りたかった。 こういう人達は、僕を先入観なく受け止めてくれるし、僕も同様である。 また、お互いいい刺激にもなる。 オーディションで集まってくれた人達の中にも、勿論小劇場系の人もいれば、芸能事務所に所属していていろんな現場を踏んでいる人もいる。 しかし、いずれにしろ僕という人間との関係性よりは、作品の方向性だったり、そのときその場で芝居をすることだったりに対して共感し、自ら名乗りを上げた人達だ。 今まで一緒にやってきた人を全く否定するわけではないが、今回の僕のテーマは「革命」なので、強い「意思」を持ち、高い「意識」を持った人達とやりたかった。 そのことによって、僕自身も高められると思ったし、僕のユニットの知名度や質をさらに向上できると思ったのだ。
10日に集まった人達とは、すぐに打ち解けることができた。 そして僕は、本当に久し振りに、芝居の話をした。 みんなの考え方や意見も聞けたし、何よりオーディションに臨む姿勢が、経験のあるなしにかかわらず、みんな前向きだった。 僕は久し振りに演劇について語り合い、地下鉄の最終電車を逃してタクシーで帰った。 まるで、芝居を作っていたあの頃のようだった。
本当に久し振りに、僕の心の中を涼風が吹き抜けた。 それと同時に、触発される所も大きかった。 演劇が僕にとってこんなにも大事なものだったのかと、再確認させてくれたオーディションだった。 これをもって、僕は演劇活動の本格的な再開を宣言する。
そして、明日もオーディションである。 今度はどんな出会いがあるのだろうか。 明日は人数が多いのであまりアットホームな雰囲気にはならないと思うが、それでも楽しみたいと思っている。
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