行止
 此處が僕にとつての行止りなのかも知れ無い。
 そう思つたら怖くて堪らなかつた。

 此處では無く幾年か前に既に僕は僕にとつての行止りを通り過ぎて墮ち始めたのだと判つて居るから否定する。
 此處はまだ終りじや無い。まだ僕には先がある。

 ある種の滿たされた幸せを否定するのでは無い。否定するのは互いを墮す關係に滿足する僕の存在だ。
 僕は既に壁にぶつかり、後はのめり込んでいくだけだといふのに。

 必死で前方を凝視してゐる。
 僕にはまだ先がある筈なんだ。
2002年10月20日(日)
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